君とわたしの死亡フラグ。
□拍手LOG。
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伊織弟の日記
○月×日
伊織兄が暗い顔で帰ってきた。
こういう時は大体真知姉に何かあった時だ。
何かあったの? って聞いても、伊織兄は教えてくれない。でも、一言だけ。
「また俺のせいだ」
って言ってた。
伊織兄、真知姉に何をしたの?
○月△日
伊織兄の表情はまだ晴れない。
我慢ができなくなって、僕は聞いた。
「真知姉になにがあったの!?」
僕が叫んだのが珍しかったのか、伊織兄は驚きながら、思わずといった様子で吐いた。
「ま、真知の下駄箱に、手紙が……」
察した。
伊織兄はモテる。(爆発しろ)
だから、伊織兄と一緒にいる真知姉は僻まれる。だから外は怖いんだ。
でも、何もできない僕には何も言えない。
○月○日
伊織兄が表情を青くしながら帰ってきた。
まさか真知姉に何かあったんじゃ……。
聞いてみたら、予想外の答えが返ってきた。
「アイツ、俺にきた女子達の手紙、全部持って行きやがった。何する気だ」
――……とりあえず伊織兄は爆発しろ。
×月△日
伊織兄が疲れた表情で帰ってきた。
毎回のごとく聞けば、何も言わずに写メを見せてくれた。
そこには、「御徒町」と書かれた下駄箱に手紙が二枚貼ってあった。
一つは、真知姉に宛てられたものだと思われる、下品な言葉が羅列された紙。もう一つは、伊織兄への熱い想いが綴られた……、
「え?」
「やりやがったアイツ。筆跡で特定しやがった」
名前も電話番号も書かれたその手紙と、下品な言葉の紙にはでかでかと、それはもう割印の勢いで二枚にまたがるように書かれていたのは、真知姉らしい言葉。
『乙wwm9(^Д^)プギャー』
真知姉すげえ。
×月○日
真知姉に電話した。
「真知姉、見たよ」
「ホント!? ゲスにはゲスを! これ鉄則!」
僕、そんな鉄則知らない。
「あんな方法よく思いついたね」
「漫画で見たの。まさかリアルで役に立つなんて思わなかった」
僕は本当に実行する人がいるなんて思わなかった。
とか思っていたら、真知姉から衝撃発言。
「伊織ざまあ!」
「はあ!? お前、なんで俺!?」
電話の奥から伊織兄の声が聞こえてきた。一緒にいたみたいだ。爆発しろ。
「伊織のせいだし」
伊織兄の声が聞こえなくなった。
「ふふ、明日から一人ずつ、同じ方法を使って晒していくつもりだから」
真知姉すげえ。真知姉すげえ。(大事なことなので二回言いました)
△月○日
毎日毎日晒し続けた真知姉は、朝貼ったらすぐ剥がされるからって、朝、昼休み、休憩時間、体育へ行く前って貼る時間帯を変えてたらしい。
とうとう先生に呼び出されて、さすがにやりすぎだって怒られたみたいで、僕の部屋にきてそうそう「解せぬ!」って叫んでた。