君とわたしの死亡フラグ。

□拍手LOG。
3ページ/3ページ



伊織弟の日記


○月×日

伊織兄が暗い顔で帰ってきた。
こういう時は大体真知姉に何かあった時だ。
何かあったの? って聞いても、伊織兄は教えてくれない。でも、一言だけ。

「また俺のせいだ」

って言ってた。
伊織兄、真知姉に何をしたの?





○月△日

伊織兄の表情はまだ晴れない。
我慢ができなくなって、僕は聞いた。

「真知姉になにがあったの!?」

僕が叫んだのが珍しかったのか、伊織兄は驚きながら、思わずといった様子で吐いた。

「ま、真知の下駄箱に、手紙が……」

察した。
伊織兄はモテる。(爆発しろ)
だから、伊織兄と一緒にいる真知姉は僻まれる。だから外は怖いんだ。
でも、何もできない僕には何も言えない。





○月○日

伊織兄が表情を青くしながら帰ってきた。
まさか真知姉に何かあったんじゃ……。
聞いてみたら、予想外の答えが返ってきた。

「アイツ、俺にきた女子達の手紙、全部持って行きやがった。何する気だ」

――……とりあえず伊織兄は爆発しろ。





×月△日

伊織兄が疲れた表情で帰ってきた。
毎回のごとく聞けば、何も言わずに写メを見せてくれた。
そこには、「御徒町」と書かれた下駄箱に手紙が二枚貼ってあった。
一つは、真知姉に宛てられたものだと思われる、下品な言葉が羅列された紙。もう一つは、伊織兄への熱い想いが綴られた……、

「え?」

「やりやがったアイツ。筆跡で特定しやがった」

名前も電話番号も書かれたその手紙と、下品な言葉の紙にはでかでかと、それはもう割印の勢いで二枚にまたがるように書かれていたのは、真知姉らしい言葉。

『乙wwm9(^Д^)プギャー』

真知姉すげえ。





×月○日

真知姉に電話した。

「真知姉、見たよ」

「ホント!? ゲスにはゲスを! これ鉄則!」

僕、そんな鉄則知らない。

「あんな方法よく思いついたね」

「漫画で見たの。まさかリアルで役に立つなんて思わなかった」

僕は本当に実行する人がいるなんて思わなかった。
とか思っていたら、真知姉から衝撃発言。

「伊織ざまあ!」

「はあ!? お前、なんで俺!?」

電話の奥から伊織兄の声が聞こえてきた。一緒にいたみたいだ。爆発しろ。

「伊織のせいだし」

伊織兄の声が聞こえなくなった。

「ふふ、明日から一人ずつ、同じ方法を使って晒していくつもりだから」

真知姉すげえ。真知姉すげえ。(大事なことなので二回言いました)





△月○日

毎日毎日晒し続けた真知姉は、朝貼ったらすぐ剥がされるからって、朝、昼休み、休憩時間、体育へ行く前って貼る時間帯を変えてたらしい。
とうとう先生に呼び出されて、さすがにやりすぎだって怒られたみたいで、僕の部屋にきてそうそう「解せぬ!」って叫んでた。




前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ