風の音(詩)
□詩
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夏のある日大きな木々が立ち並び
囁かれる言葉は
木陰の羨望
照りつける太陽が
レンガ造りの歩道を白くする
流れてゆく雲は
決して私を追いかけない
小さな喫茶店
テーブルの上を雲が歩いてゆく
耳に触れるのは
麦茶の氷が崩れる音と
噛みつぶされるストロー
フェイドダウンするBGMに
私を引き止める声
御返事代わりに
扉をちりりん、とする
白い歩道を歩む雲の陰
私が雲を追いかける
とどまることのない形
いつも自由なその形
形なき憧れの象徴
【 解説 】