風の音(詩)

□詩
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雨旅



私は雨

雲の中に住んでいる

ふわふわと海を通りすぎ

山も乗り越えて

小さな町にやってきた


そこで私の出番がやってきた


雲から飛び降りる

いろいろなものを巻き込んで

どんどん落ちていく

小さな町もだんだんと大きくなって

木の傍のコンクリートに辿り着く

他の仲間と一緒に流されて

流されて

泥水となって流される


汚いからだになってしまった

町に這う水路を駆けめぐる

木に吸われることもなく

田を潤すわけでもなく

暗い溝を駆けめぐる



一筋の光

身は清められ

汚れやほこりは落とされて

流されて

誰かの飲み水となり糧となり



流されて

海になって

雲に住んで

落ちていって





私は雨

ときに泥水

たまに飲み水

ときたま海水



巡り巡って雨になる


私は雨


誇りをもった雨





【 解説 】
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