風の音(詩)
□詩
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泣嬉声鳥が鳴いたので目を開く
子供が泣いたので口を開く
どうしてなくのですか、と
問うてみる
止まらない囀りと
とどまらない呻き
なきたいことの多いこの世界
悲しみに満ちたこの世界
嘆かわしい
嘆かわしい
どうすればなき止むのでしょう
響き続ける泣き声
拡がり続ける鳴き声
悲しみの証明
喜びの前触れ
世界のために鳴き
人のために泣く
喜びも悲しみも痛みも感動も
全てがあって
うつくしい世界
泣きたいことの多いこの世界
泣き足りないことの多いこの世界
泣きましょう
泣きましょう
世界はこんなにも美しいのですから
【 解説 】