風の音(詩)

□詩
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籠りたい





大きな川沿いの道に

亀が座っていた

正しくは転がっていた



しかし

私には座っているように見えたのだ

道行く人たちの好奇の視線など気にも留めず


ふんぞり返っていた

正しくはひっくり返っていた

しかし

私にはふんぞり返り達観しているように思えたのだ




亀は子どもに振り回され

汚れ水に毒されて

川から這い出てみれば

そこはアスファルトの大地で。




その気苦労お察しいたします。

このワタクシも

甲羅に籠りたくなるこの世界です。





【 解説 】
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