Harry Potter
□敵寮同士
1ページ/6ページ
彼はスリザリンで
私はグリフィンドール
何だか、ロミオとジュリエットの気分
敵寮同士
「どうも納得いかないわ!」
グラスに入ったバタービールを飲み干して、私はリリーに言った。
彼女はまた始まったかとばかりに私を見る。
「何でスリザリンなのよ!」
敵寮の名に談話室内の何人かがこちらを向いたが、騒いでいるのが私だとわかると元に戻る。
そこまで日常化させているつもりはないのだが、そうでもないらしい。
確かに、昨日も騒いだ覚えがある。
ぐだぐだする私に、リリーは何度も言った言葉を投げ掛けた。
「でも、あの人はスリザリンで良かったと思うわ」
「私がよくないの!」
空になったグラスを乱暴に置けば、側にいた一年生が縮み上がった。
ちょっと酔っ払いの気分。
それに、リリーが言うことが最もだとはよくわかっている。
それはわかっているのだが、やはり敵意がこうあからさまだと気が滅入りそうだ。
セブルスのグリフィンドール嫌いは、仕方ないと言えば仕方ないのだが。
「ホントに好きなのね、スネイプのこと」
彼の名前が出て来て、顔に笑みが浮かぶ。