短編集 (赤×橙)

□魔法の言葉
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※付き合いたてくらいのお話。


明日はクリスマスイブ。
ちゃかは実家暮らしでクリスマスには家族でご飯食べるらしいから、俺たちはイヴにデートする予定。

プレゼントも用意したし、もう準備満タン。
今日もダンスの猛練習だったけど、初の恋人イベントにもうワクワクして仕方ない。

練習終わりにシャワーを浴びてひと休憩してると、海人がやってきた。

「クラ〜お疲れ〜」
「お疲れ〜」

ぴょんと前髪を結んだ海人は俺の隣に腰掛けた。

「明日クリスマスイブじゃ〜ん。ちゃかと過ごすの?」

ちなみにこいつは、メンバー内で唯一俺達の関係を知ってる。

「そーだよ」
「いいじゃーん。俺なんか暇だからしずとゲームするよ。あ、プレゼントも買ったの?」
「もち!」

実は1週間前くらいには、もう良いものを見つけて買ってしまった。
いかにもクリスマスって感じの、赤と緑の縞模様のキャンドルだ。
ツリーの形で、とってもかわいい。

その話をすると海人は微妙な顔をした。

「え〜キャンドル?なんかOLっぽいプレゼントだね」

そんなことない、と思ったけど、そういやちゃかって、キャンドルとか使う人だっけ?ちゃかの部屋を思い出してみる。それっぽいものはなかったなあ。

海人のリアクションのせいで突然心配になってしまった。
もしかして俺、微妙なチョイスしちゃった?
けっこうセンスいいと思ったんだけど。

「、、喜ばないとおもう?」

不安になって海人にきくと、海人がぴこーん!となんか閃いたような顔をした。

「いいこと思いつ〜いた♪」
「なに?」
「それあげるとき、海斗にこういってごらん」

そう言って海人は俺に一言耳打ちする。

「へ?そんなこと?なにそれ」
「いいからいいから。あいつぶっとんで喜ぶよ」

海人がいやにニヤニヤしてるのは気になるが、ちゃかとの付き合いは俺より長い。
その言葉をとりあえず信じてみることにする。
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