短編集 (赤×橙)
□踏み出す勇気1
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side 橙
ちゃかと付き合いはじめて3ヶ月
今日は撮影とかはないのでみんなスタジオに集まってダンスの練習。
偶然海人と2人きりになったとき、海人が聞いてきた。
「最近、海斗とどう?うまくいってる?」
「!?」
まさか俺らの関係を知ってる人がいるなんて思ってなかったから、びっくりして海人を見た。
「な、なんでそれを、、」
と言うと、海人が盛大に噴き出した。
「たははー!やっぱりな!」
「え?、、もしかして、かまかけた!?」
「あははごめんねクラ、あははは」
そんな謝られたって、遅い。
しまった、これはちゃかにおこられるかもしれない。俺ってバカ?
「安心してよ、誰にも言わない」
「ほ、ほんとに、、?」
「うん、だって俺海斗の親友だもん。海斗の幸せは俺の幸せ」
「ありがと、、」
「でもお前わっかりやすいなー!どうすんだよ、そんな顔して。隠せ隠せ」
おそらく顔が赤くなっていたんだろう、
海人は俺の顔を隠すように、ただでさえ汗で乱れた前髪を、さらにぐしゃぐしゃっと荒らしてくる。
「あっ、やーっっべ」
そう言いながら海人が手をさっと離したので、視線の先を辿るとちゃかが海人を睨んでいた。
明らかにイラついているときの顔だ。
「てかあいつもわかりやすすぎだろー」
なんて言いながら、海人は何もなかったかのように練習に戻った。
海人はもちろん信頼しているけど、それでも自分たち以外の人が知っているというのはソワソワしてしまうもの。