短編集 (赤×橙)

□寝起きの良い日
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Side 橙 

カーテンの隙間から差し込む光で目が覚めた、
横にはちゃかがまだ布団にくるまって眠ってる。

俺はちゃかの寝顔がすごく好き

もともとベビーフェイスなんだけど、眠っているとさらにあどけない

白いほっぺたがおもちみたいで、ほんと赤ちゃん。

これがステージに立つと、絶対倒せないラスボスみたいなオーラを出してくるんだもんなあ

こんな無防備な顔見てるの、俺だけかも!

そう思うと、つい笑みが漏れる。

寝起きのちゃかは大体テンションが低いので、起こすときは割といつも慎重になる。

うるさい音とか振動とかで起きちゃわないように、自分が先に起きた時はしばらく静かにしておくし、時間的に起こさないといけない時は、やさしくゆっくりゆさぶってあげる。

で、起きてもしばらくはちゃかのペースでいさせてあげる。

まあまだ時間あるし、朝ごはんくらい用意してあげよ!

俺は寝てる顔に近づいて、唇にチュッとキスをした。
やったあとになんか自分で恥ずかしくなって「やっべー」とつぶやいた。

ベッドを離れようとしたら突然後ろに引っ張られ、ベッドに背中から倒れ込む。

「うわっ、、」

さっきまで赤ちゃんだったちゃかが、あっという間に覚醒して、しかもなんかニヤついてる。

「起きてんのかよ!」
「さっき起きた、誰かさんがチューしたから」
「、、っ」
「漫画みたいなことすんだね、さすがロマンチスト。星でも見にいく?」
「うるせー!絶対もうしない」
「おいで」

そう言ってちゃかは俺を無理やりまた布団に入れてぎゅっと抱きしめて、抱き枕がわりにする。

「もう起きたけど、さっきのかわいかったから、もうちょっとこうしとく」

えっ
ちょっと照れるけど、こんなに寝起きのいいちゃかは初めてじゃん

もしかしたらこの方法、使えるかも、、覚えとこっと!

俺はニヤリとしながらも、せっかくのご機嫌な寝起きを台無しにならないように、じっと抱き枕になって、ちゃかが満足するまで待つのだった。


fin.


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