短編集 (赤×橙)

□デレ顔指摘事件
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「あ、ちゃかちょっといい?」

企画の撮影が終わって衣装から気がてる時、のえるが話しかけてきた。

「うん」
「最近、動画のコメント欄読んでる?」
「あー、、あんまり」

正直最近忙しくて、アップされた動画はちゃんとみるがコメント欄までは見れてない。のえるはどこが面白かったのか視聴者目線の参考になるから読むらしいけど。

「実はさ、ちゃかがまつくにデレ顔してるってコメントが最近多いんだよね」
「は??」
「デレ顔って、デレデレしてるってことね」
「いやそれはわかるけど、、」
「別に悪くないと思うんだけど、ちゃかはリーダーでしょ。だから対応に、それが表情でもね、差が出たりしちゃうと他のメンバーのファンはあんま嬉しくないと思うんだよね。」
「えっ、俺が贔屓してるってこと?」
「贔屓じゃないけど、まつくだけに甘い部分は確かにあると思う。自分でコントロールできるんならいんだけど、ちゃかに自覚がないみたいだから一応言っとく」
「でも俺別にそんな」
「それで松倉が目の敵にされてもいやでしょ。」

松倉が目の敵に?そんなことあんの?
俺ってそんな画面越しに見てる人にもわかるほどデレデレしてんの?
えっ、めっちゃはずかしい。
というより、松倉がなんかの間違いで標的になるような可能性があるんなら、それはやばい。俺のせいでそんなことあったら、きっと自分をずっと許さない。

「ごめん、、自覚は確かに、なかったかな。気をつけます」
「ん、よし」

のえるは俺の頭をぽんと撫でた。

その後楽屋で着替える際俺はつい自分の表情をじーっと見てしまった。
俺のデレ顔ってどんな顔だ。

わっかんない。
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