短編集 (赤×橙)
□魔法の言葉
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クリスマスイブ。
夕方仕事終わり、ちゃかがうちに遊びに来た。
「いらっしゃーい!」
恋人イベントにテンションの上がってる俺は早速コーヒーとクリスマスのカットケーキでおもてなし。
ちゃかって意外と甘いもの好きなんだよねえ。
「疲れてたから嬉しいわ、ありがとな」
ちゃかはショートケーキを早速頬張る。
おもちみたいに頬を膨らませて食べてるのがかわいくて、その顔写メってたら笑われた。
「あ、そーいやプレゼント」
ケーキを食べ切って一息ついて、ちゃかがかばんから赤いラッピングの袋を取り出す。シルバーのリボンに巻かれてる。
「おーありがと!開けていい?」
「もちろん」
中を開けると、ボアでもこもこした黒いカーディガンだ。
この前いっしょに買い物に行った時に俺が試着して気に入ってて、でも高くて買えなかったやつ。
「え、まじで!?だってこれめっちゃ高かったじゃん」
「んー値段知られてるから買うのどーかなって思ったんだけど。お前にすごい似合ってたから」
「ほんとに嬉しい、ありがと!」
さっそくカーディガンを羽織ってみる。
やっぱりもこもこが可愛くて、デザインも洗練されてる。毎日着れそう。
全身鏡の前で、女の子みたいについくるくる回ってしまった。