短編集 (赤×橙)

□お願いごと
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「ほら、やられちゃうよ」

完全にちゃかのペース。
いや、いままでこういうことで俺のペースになったことってあったっけ。
悲しくも生まれてこの方経験回数自体が少ない俺は、こういうときでも大人な余裕を出してくるちゃかに決して叶わない。同い年なのに、なんか悔しい!

「大丈夫、俺が気持ち良くしてあげる」

なんて耳元でささやくもんだから、もうなんでもいいやってなっちゃって、小さく頷くしかなかった。

いつも温和で大人しいタイプのちゃかがこのとかされそうなほどの色気を見せる時、俺はいつも抵抗する術を忘れてしまう。

ちがう、きっとあえて飲み込まれてる。

「、、次は絶対、俺だから」

そう悔し紛れに言って、俺は大人しくちゃかの首に手をまわす。ちゃかはおかしそうに笑って、優しく抱きしめてくれた。

今朝の自分の決心はなんだったんだと思いつつ、訪れる快感の予感にやっぱりワクワクしてしまうのだった。


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