Wandafuru Virgin

□3話(中編)
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「太宰」
「太宰さん?」

「してやられた。あの人の方がめんどくさそうだ」

そう言った私の言葉に顔を見合わせている敦君たち

「太宰さん。彼女は一体」

「その界隈では有名だなんて珍しい」

「あぁ。本当の事だからね」

「「え?」」

「その界隈って一体なんだ」

「呪術師ですよ」

「な!?」

「彼女…愛純は、呪術師だ
しかも。その呪術師の中でもデカい家計の娘だ」

そう言った私の言葉に目を見開いた探偵社

「呪術師って」
「異能が全く効かないというあの」

「あぁ」

「異能が効かないなんて、そんな話聞いたことがありません」

「だろうね。5年前。ポートマフィアにいた時の私も同じことを思っていた。
当然、中也も紅葉の姐さんも同じことを思っていただろう」

「!!」

「愛純はその呪術師の家系に生まれ
呪術師界隈の“御三家”と呼ばれる筆頭の家の人間」

「!?」

「愛純のお兄さんが現在は当主になっているんだ」

「そんなことがあるんですね」

「あぁ」

こうしてはいられない
彼女を連れ戻さなくてはいけない

「太宰さん?」

「私は、東京に行って来る」

「馬鹿なことを言うな!」
「仮にも、ポートマフィアにいた呪術師なんて。この探偵社に何をされるか分からないじゃないか」

「壊すつもりなら、とっくに壊しているでしょう。彼女の事だ」

「どういう」

「彼女は、異能力者も一般人も殺すことはしない」

!?

「殺せばどうなるか。自分で分かっているからだ」

「どうなるって」

「お兄さんたちに追われ、自分も殺される。彼女はそう言っていたよ」

「太宰」

「何でしょう」

「彼女は、武装探偵社(ここ)にいれば
戦力として扱われる可能性があるぞ」

「まぁ、彼女次第でしょう。
私としては、彼女よりも、お兄さんたちを敵には回したくない」

愛純との話をしに行った時

「“僕たち特級呪術師にはね。国家転覆をするだけの力がある。
だからこそ、愛純に何かあれば僕たちはすぐに動く。
ポートマフィアにいると聞いた時幸せにするといったね。でも、それは無理な話だ
僕は、太宰君も愛純もポートマフィアにいるうちは
婚約も結婚も認めることはないよ”」

「嘘だろ。そんな御伽噺みたいな話を信じろというのか」
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