memo
◆漸くの折り返しに寄せて [追記]
更新履歴にも書きましたが、当初は、というかプロットの段階ではここまで長くする予定は無かった。時間が掛かったのは、まあ、更新速度のせいもありますけれど。
広げた風呂敷が予想外に大きかったし、思ってた柄と違ったみたいな現在の情況です。
夢主が同じ様な事を何度も何度もしつこく悩み続けていた前半でしたので、そこに横槍をガンガン入れて崩した上で、『もうしゃーないわ取り敢えず進む』ってさせるまでが、この折り返しなんだと思ってます。
後、パンタの思う鉢屋像を此処までに書ききっておきたかった。
どっかで書いた様な気がしますが、パンタの中での鉢屋は『献身の男』なんですね。解釈違いの方おられたらすみません。
夢的に言えば、お姫様を助けるために魔王と戦う勇者というより、お姫様の側にいて守り続ける騎士のイメージ。
キャラ考察的に言えば、変装名人故に、他人の事は良く観察しているし、他人の求めるものが良く分かる。外見を如何様にも変えられるからこそ目に見える美醜についてそこまで重要視していない。彼が何かに惚れる時は本気で内面から惚れ込む時だし、一度惚れ込んだものを裏切る事はしない。彼が好きなのは美人ではなく美人であろうとする人の精神性ってイメージ。
然し、『献身の男』ではあるけれど、決して『無私』では無いとも思います。
彼は色んなものに憧れているし、ひねくれている様で、誰よりも人生に対して明るい希望を持って生きているし、周りを愛して、また周りに愛されている。端的に言ってしまえば、何だかんだで真っ当に愛されてきた育ちの良いお坊ちゃんタイプの子だと思ってます。
故に、彼は献身的ではありますが、誰かの為に何かを犠牲にする事はできない。自分が幸せのまま相手を幸せにしたい人間であり、然し同時に『無私』や『自己犠牲』の美徳性に憧れてもいる。非常に欲張りであり、その事を自覚している。
『自分の顔』という、個人を明確に表す要素を捨てながらも、寧ろだからこそ、『自分自身』というのがはっきりしている。彼の献身は、意思を持った本気の献身で、自分がやりたいからやるし、それで自分を不幸にはしない。
そういうちょっと矛盾した複雑さが鉢屋の魅力だと解釈している次第です。
一方、夢主は、『自分自身』を掴む事ができない人間としています。自分が何をしたいのか何が欲しいかも分からない。だから何も望もうとしないし、周りから責められる前に自罰的になる。自己防衛を拗らせてしまっている人物です。誰かが傷付く事そのものより、誰かを傷付ける自分の事を潜在的に恐れている。エヴァのシンジ君タイプをイメージしてキャラ像を作ってます。自己嫌悪や自罰が自己防衛になり、何だかんだで自分の事しか考えられない彼女の地獄巡りはまだまだ続きます。
実は、通じ合っている様でまだ全然噛み合ってないこの二人。連載の隠れた裏テーマは『鉢屋三郎の受難』です。もう少しだけお付き合いください。
後、利吉さんの扱いが色々可愛そうな感じなんですが、落とし処は考えています。
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