理不尽に爛漫に/道理に叶って絢爛で

□だから展開が怒濤過ぎるって
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 私達は、尾浜君を呆然と見つめている。

「せん……きょ……?」


 せんきょ、せんきょって












「この私に清き一票をおおおおっ!」

 ゴッ!!!

「お前本当に黙れ阿呆が!」




「ってえなあああ……!!」

 三郎の拳骨が脳天クリアヒットした。

「三郎!気持ちは分かるけど、仮にも女の子に拳骨は無いだろ!!」

「……気持ちは分かるが、もっと穏やかに、しろ」

 不破君と中在家先輩が三郎にめってしております。しかし気持ちは分かるて、おま。


「えっ!?女の子!!!?」

「ああ、そういや立花先輩に聞いたぞ。色々もろバレらしいな藤山」

 ハチは驚愕し、尾浜君は苦笑いする。

「女の子……そっかあ、女子だったのかあ……」

「まじまじ見んなハチ公」

「へっ!?ハチ公って俺の事か!!?」

「他に誰がいるんだ、ほらほら、お手っ」

 にやにやしながら手を出したら、ハチが変な顔をしている。
 あ、やべ。怒ったか?顔赤いし、うん謝る謝る、

「……おう」

「……いや、乗せるんかい」

 結構ノリ良いねお前。

「一生やってろ。藤山が話し出したら何処までも話が逸れてくるから、もう黙ってろよ」

「ちょっ、三郎ひでえ!!怒るぞ!」

「葵、それなあに?」

「怒れる鷹のポーズ!!」

「勘右衛門。学園でいったい何が起きているんだ?」

 三郎は怒れる鷹のポーズを決める私を無視して、尾浜君に向き直る。

「詳しく説明してくれ」

「……ああ」

 尾浜君は重々しく頷く。
 マジシリアスな空気の中でポーズを決め続けられる程心臓はタフネスではないので、私もポーズを止めて大人しく聞く事にした。



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