理不尽に爛漫に/道理に叶って絢爛で
□卯の刻だよ全員集合?
1ページ/3ページ
裏々々々山の景色が凄い早さで回っている。
「葵!仙蔵と文次郎を戻せたんだってな!!!えらいえらい!!」
「あばばばばばば!!」
ちょっ、七松パイセン!!
腕を持ってぶんぶんぐるぐる振り回すのは止めてください!!!
「遠心力!!遠心力やばい!!!」
腕が外れるわこの野獣!!
「小平太。……藤山が、目を回してしまうぞ」
「おお、そうか?」
「だはあっ!!?」
急に止まるのも止めろ!!
てか手を離すなマジで!!
吹っ飛びかけた身体をがしっと止めてくれたのは、
「な、中在家先輩、どもです」
くらくらする視界で中在家先輩がこっくりと頷く。
「良く、頑張ったな……」
「お?あ、あざす……」
頭を撫で撫でして頂きました。
「おやまあ、先輩方、何故此処に?」
喜八郎が首を傾げている。
「俺達六人の取り決めの狼煙が上がったから集まったんだよ。来てみりゃ、文次郎の野郎と、仙蔵が戻ってたから驚いた」
何故か顔を腫らしている食満先輩が説明してくれた。
「よお、藤山。伊作も戻してくれたみたいだな。ありがとうな」
「え?はあ、」
いさくって誰だよ。
首を傾げている私の頭に、食満先輩が満面の笑顔で手を伸ばして撫でようとする。
「ぬおっ」
「葵に触らないでくださーい」
喜八郎が、ぐいっと私の腕を引いたから、先輩の手は空しく宙を掻いた。
「おいっ、喜八郎!!何で長次は良くて俺は駄目なんだよ!!?」
「顔が変態っぽいからです。……良い、葵。この人、御稚児趣味の気があるから気を許しちゃ駄目だよ」
「へ?」
「こら!!変な事を吹き込むんじゃねえ!!!」
「ぶっ!!」
わあお。
食満先輩の拳骨が喜八郎の脳天にクリティカルヒットした。
「おはよう。藤山君」
「あ、不破君おはよー」
不破君が茂みを揺らして現れた。
確か、中在家先輩とペアを組んでたっけ。朝から和む笑顔どーもです。
「葵ー、痛いー」
食満君にげんこされた喜八郎が詰め寄って来た。
「はいはい。痛いの痛いの飛んでいけー」
「んー。もっかいして」
「甘えんな」
私と喜八郎のやり取りを不破君は苦笑いを浮かべて見ている。
「お母さんみたい」
「不破君、本当に止めて」
まだ彼氏すらいないのにおかんキャラ定着してたまるか。
「じゃあ、お父さん?」
「………………」
そういう問題じゃないですが。
「父ちゃ、んぶう」
「るっせ」
喜八郎の顔を挟んでぶにぶにする。
「わあ。本当に喜八郎が壊いてる」
「藤山君、肩の治療をしようか」
なんか次から次へと人が現れるな……。
上から下まで物凄いボロボロ状態のジャニーズ顔二人組を私は遠い目で見つめた。
.