理不尽に爛漫に/道理に叶って絢爛で

□卯の刻だよ全員集合?
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 裏々々々山の景色が凄い早さで回っている。

「葵!仙蔵と文次郎を戻せたんだってな!!!えらいえらい!!」

「あばばばばばば!!」

 ちょっ、七松パイセン!!
 腕を持ってぶんぶんぐるぐる振り回すのは止めてください!!!

「遠心力!!遠心力やばい!!!」

 腕が外れるわこの野獣!!

「小平太。……藤山が、目を回してしまうぞ」

「おお、そうか?」

「だはあっ!!?」

 急に止まるのも止めろ!!
 てか手を離すなマジで!!

 吹っ飛びかけた身体をがしっと止めてくれたのは、

「な、中在家先輩、どもです」

 くらくらする視界で中在家先輩がこっくりと頷く。

「良く、頑張ったな……」

「お?あ、あざす……」

 頭を撫で撫でして頂きました。

「おやまあ、先輩方、何故此処に?」

 喜八郎が首を傾げている。

「俺達六人の取り決めの狼煙が上がったから集まったんだよ。来てみりゃ、文次郎の野郎と、仙蔵が戻ってたから驚いた」

 何故か顔を腫らしている食満先輩が説明してくれた。

「よお、藤山。伊作も戻してくれたみたいだな。ありがとうな」

「え?はあ、」

 いさくって誰だよ。

 首を傾げている私の頭に、食満先輩が満面の笑顔で手を伸ばして撫でようとする。

「ぬおっ」

「葵に触らないでくださーい」

 喜八郎が、ぐいっと私の腕を引いたから、先輩の手は空しく宙を掻いた。

「おいっ、喜八郎!!何で長次は良くて俺は駄目なんだよ!!?」

「顔が変態っぽいからです。……良い、葵。この人、御稚児趣味の気があるから気を許しちゃ駄目だよ」

「へ?」

「こら!!変な事を吹き込むんじゃねえ!!!」

「ぶっ!!」

 わあお。
 食満先輩の拳骨が喜八郎の脳天にクリティカルヒットした。

「おはよう。藤山君」

「あ、不破君おはよー」

 不破君が茂みを揺らして現れた。
 確か、中在家先輩とペアを組んでたっけ。朝から和む笑顔どーもです。

「葵ー、痛いー」

 食満君にげんこされた喜八郎が詰め寄って来た。

「はいはい。痛いの痛いの飛んでいけー」

「んー。もっかいして」

「甘えんな」

 私と喜八郎のやり取りを不破君は苦笑いを浮かべて見ている。

「お母さんみたい」

「不破君、本当に止めて」

 まだ彼氏すらいないのにおかんキャラ定着してたまるか。

「じゃあ、お父さん?」

「………………」

 そういう問題じゃないですが。

「父ちゃ、んぶう」

「るっせ」

 喜八郎の顔を挟んでぶにぶにする。

「わあ。本当に喜八郎が壊いてる」

「藤山君、肩の治療をしようか」

 なんか次から次へと人が現れるな……。
 上から下まで物凄いボロボロ状態のジャニーズ顔二人組を私は遠い目で見つめた。

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