理不尽に爛漫に/道理に叶って絢爛で

□鬼ごっこ大作戦
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 漸く尾浜君と三郎から解放され、藤山さんバタンキュー(死語)でお布団ダイブ。

 そして予想通りというかなんというか、昨晩と同じ、薄いグレーの空間に立っています。


「お疲れ様です。今回も引き続き、身体能力の強化と魂の改変を、」

「質問です!今晩の訓練をスキップするか休むことは可能ですか!?」

「承知しかねます」

 スーツ女は、相変わらず超事務的だった。


 しかし、正直、私はめちゃくちゃ疲れてる。
 新しい環境に放り込まれた挙げ句、良く分からないピンクの霞やら読めない字やら実技の授業やら尾浜君と三郎による夜中の読み書き猛特訓やら…

 尾浜君が意外とスパルタだった事に精神的なダメージが倍増している。
 君だけは、君だけは優しい人だと思っていたのに…!!

 そんな私の嘆きを聞きながら、スーツ女はタブレットをすいすいとなぞっている。


「言語の問題に関してですが、補正はできるそうですよ。どうされますか?」

「う、うーん……」


 できるのか。しかしいざなんとかなると言われると、スパルタでありながらも、一生懸命、丁寧に教えてくれる二人を思い出しちょっと悩んでしまう。



「……暫くは、自分で頑張ってみます。」


 その補正とやらを使うのは簡単なんだろうけど、真摯に教えてくれる二人に対して、それは失礼というか狡い気がしたんだ。


 本当にスパルタなんだけど。
 本っ当に、スパルタなんだけど。




「そうですか。では、本日のステージを用意致します」

 やっぱり拒否はできない流れですか……

「今日はなんすか」

「逃げ回ってください」














 周囲に現れた景色は見慣れたビルや公園。
 現代の町。

「ん?」

 なんだこの黒いアームカバーと膝のサポーターみたいなん見たことあるぞ。


「グッドラック」



 スーツ女が何処へともなく去るのと同時に遠くから走って来る黒スーツ黒サングラスの屈強な……


「ハンターだあああああああああ!?」


 全速力で走らざるを得ませんでした。

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