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□イナズマジャパンってキス上手
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「みなさーん!差し入れでーす!」
春奈ちゃんが休憩に入ったばかりのグラウンドに向かって声を上げた。
彼女が腕に抱えていたのは大量の美味しそうなさくらんぼ。
「こんなに沢山どうしたんだ?」
円堂が目を輝かせて問う。それに鬼道が腕組みをしながら答える。
「父さんからだ」
オレはいいと断ったんだがな、と眉を下げて言った。いやしかし、さすが鬼道財閥。量が半端じゃない、この人数でも1日では食べきれないかもしれない。

手を洗ってきた皆が一斉にさくらんぼへと手を伸ばす。私たちマネージャーも選手に混じって赤い色をしたそれを口に含む。
う〜ん、美味しい…。実も大きくて甘い。鬼道のお父さんありがとうございます。…あ、さくらんぼといえば!
『ねぇ、さくらんぼのへたを舌で結べる人いる?』
イナズマジャパンの中に何人キスが上手い人が居るのか、気になるよね〜。そんな意図を持った私の質問に何も知らないであろう皆は挑戦し始める。
こんなの出来たら凄い。普通は出来ないだろ……。ちなみに私は出来ません、うん出来るわけない。
「あ、出来た!」
最初に歓喜の声を上げたのは吹雪だった。マジか、さすがだな吹雪。
「オレも出来たよ」
ヒロト、お前もさすがだな。うーん、この2人ははまぁ納得だよね。実際そんな経験があるかは置いといて。
「オレもだ」
「鬼道くんも出来たんだ、へぇ〜意外だねぇ」
不動なんかこの意味に気づいてそうだぞ。なんだそのやらしい笑みは。ドヤ顔するな……ってあれ?多くない?何、まだ居るの!?
なんと、佐久間、綱海まで出来た。風丸はもう少しで結べそうだと言う。
どうなってんの日本代表!!
「なんだよ、全然結べねぇ」
円堂は不器用だろうね、うん。かわいいよ。

結局結べたのは吹雪、ヒロト、佐久間、綱海、鬼道、不動、豪炎寺。そして風丸はあとすこしで結べる。嘘だろぉ……イナズマジャパンってこんなにキスのテクニシャン多いのかよ。ま、結べなかった面子も納得だけど。
個人的に飛鷹ができなかったのはすごくかわいいと思うんだよね。きっとファーストキスもまだなんだよ、そして初めてのキスがあまり上手く出来なくてちょっとヤケになっちゃってさ、あくせくしながら何回もキスしてくるんだよ。かわいいねぇフフ…。
妄想してニヤけていると誰かに肩をつつかれた。
「ねぇナマエちゃん? イナズマジャパンってキスが上手な人多いんだね!」
笑顔満開で吹雪が言う。驚いてさっきまで妄想していた内容が一気に飛んでしまったじゃないか。
知ってたなんて吹雪はホント女子力高い。つか、皆なんで顔赤くしてんのさ。
特に栗松、お前は出来てもいないのにどうして一番照れてるんだよ。
『え!?みたいな空気になってるけどこれは誇っていい事だからね?胸張っていこうよ』
それにしても空気が凄いことになったなぁ。一部固まってるじゃん、全く。軽くフォローしとくかな。
『まぁキスというかベロチューだよね?』
皆が上手いのは、そう言った後に後悔した。しまった、これでは余計に刺激が…。
「フォローになってねぇよアホ」
不動が呆れて言う。成る程、不動、吹雪、ヒロトは平気なのか。中学二年でその冷静さはさすがです。
「べろちゅうーってなんだ?」
円堂!!!!あぁ円堂!!!!!君だけはそのままでいてね……
『ゴメンネ、ナンデモナイヨキニシナイデ!』
「?」
キョトン顔もかわいいね。円堂はゆっくりこういう事について知っていけばいいんだよ…。
『モテる人ってやっぱこういうの出来るもんなんだね』
それを聞いた出来なかった人達のテンションが下がったのが分かった。おお……、めんどくさい。そうか、皆やっぱりモテたいんだな。そりゃそうだ、中学二年生だもんな。
『心配しなくても練習あるのみ! なんとかなるさ!キスは経験を重ねる毎に上手くなるんだから!』
自分で言っておいてあれだけど、なんだこの感じは。バカなのかな、このチーム。ていうか、海の男はキスが上手いんですね。綱海とは意外だったよ、ホント。いやでも案外えっちくて良いですね!




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だいぶふざけてます。
すみません。



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