short

□ニャア。
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*猫の続編



明王に布団をでるのを拒まれてから一時間が経つ。自分で私を引き止めておいて寝るとは何事だ。
ムカついたので意地悪をしようと考えた私は寝返りをうって明王の方を向く。普段は目つきとか鋭いのにこうして寝ていると凄く、凄く可愛い。
…私より睫毛長くないか。
また少しムカついたので明王の鼻を摘まんでやった。
「ん゛ー………」
どうだ苦しいだろう。
眉間に皺を寄せて唸った明王を見て笑っていると目の前の大きな瞳がゆっくりと開いた。
「……」
『おはよう、猫ちゃん』
本日二度目の目覚めにして初の挨拶をすると明王は目をしぱしぱさせながらああ、と言って私にくっついて来た。ホントに甘えん坊だなぁ。明王のツルツルした後頭部を撫でていたらはむっと唇を甘噛みしてきた。
『ん、……もう、何してんの?』
問うと、明王は猫のコミュニケーションと、口元に薄く笑みを浮かべて言った。
何それめちゃくちゃかわいい。
1人で悶えていると強引に唇を割られて明王の舌がゆっくりと私の咥内を撫で回した。
『ん………っ……!?』
不意打ちで準備が出来てなかった私はビックリして明王の胸をトントンと強く叩いた。それに鬱陶しそうな顔をした明王が答えるように唇を離す。
ゆっくり離れていくとツ、とどちらのモノか分からない唾液が枕に落ちた。
「ごちそーさん」
そう言ってタオルで自分の口元を拭いた後に私の方も拭ってくれる明王。彼氏力高い。
『ごめん、枕汚しちゃった…』
「あ?別に洗えば大丈夫だろ」
明王が私の上に股がって来たのでニャア、と1時間程前の明王の真似をして言ってみると舌舐めずりをした明王が真っ直ぐにこちらを捉える。
なんか今の明王、物凄く色っぽかったんですけど……。
「ニャア。」
ドキドキしていると明王が鳴いてキスを落とした。何だコレ。



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