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□勉強しようぜ
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かわいいなぁ、顔整ってるなぁ。
私は勉強する手を止めて正面にある吹雪の顔を眺めていた。
「どうしたの、ナマエちゃん?僕の顔に何かついてる?」
『え、いや……あの、吹雪の顔…見てた』
私がそう答えると吹雪が頭にハテナマークを浮かべた。
「 ? 答えになってないよ」
もしかして、と吹雪は意地悪な笑みを浮かべて机に身を乗り出して私の方へと顔を近づけた。
「僕に見とれてた?」
『 っ!?』
あまりの近さに体温が上昇する。
これは心臓が持たないと、顔を背けたら頬を手ではさんで前へ戻された。くそぉ。
『ふ、吹雪………』
「いいよ、見てて。 僕も見てるから、ナマエちゃんのこと」
そんなこと言われても恥ずかしすぎて無理です。というかそんな発言出来る吹雪すごいね!?
そう思ったけど喋ると正面にある吹雪の顔に私の息がかかりそうで喋れない。
目をそらすとちゅう、とキスされた。
『え…………』
ま、まうすとぅまうす…!?何で!?今そんな要素あったかな!?
いきなりのことに脳内パニックになって固まっていると吹雪がもう一度可愛らしいキスをした。
『ちょ、吹雪…! そんなことしてないでべ、勉強しないと……!』
そうなのだ、今は絶賛テスト期間中なのだ。それなのにこの男ときたら……。「勉強よりもこっちの方が大事だよ」
なんて言うもんだから困った。
勉強よりイチャつく事が大事だとか勉強が出来るからこそ言えることだよ、吹雪さん。
「ナマエちゃんイチャイチャしようよ」
笑顔で私の隣まで来て首に巻きついて来る。こうなったら意地でもイチャイチャしたがるんだよ。
私は溜め息をひとつ吐いた。
ナマエちゃん好き、そう言ってまた唇へとキスを落とす吹雪。
もう今日は勉強どころじゃないなぁ。
『……吹雪が一緒に勉強するって言ったんじゃん。赤点採ったらどうしてくれるの』
不機嫌そうに言えば彼はへへ、と笑った。
「ごめんね?」
こいつ、本心じゃないな…。
『はぁぁ………』
「明日またやればいいじゃない?僕がちゃんとナマエちゃんの分からないところ、教えるからさ。ね?」
首を傾げて優しく微笑まれたらもう何も言えなくなるし許してしまう。
惚れた弱みかなぁ…。



勉強しようぜ

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