紫の時空

□第3章
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頭を撫でられた感触で目が覚めた。

とは言っても目は閉じたままで、意識が眠りの縁から浮上しただけだか。


(……今日は雨か…)


湿気が少し嫌になる。


(しっかし、風散那は早起きだよなぁ)


というより、いつも起きる時間が同じなので最早機械なのではないかとチラッと思う。


(ま、俺もあいつの近くだから気を抜いていられんだよなぁ…)


魔力が潜在的に高いせいで、周囲の変化を事細かに感じることができる。

だから気配に敏感な方で警戒心も強い方である…………………………………………………………と思っていた。

風散那の近くにいるのが当たり前になり、彼女には心を許している。

だから風散那には何をされても不快ではない。


(つーか、最初はあいつの方が警戒心強かったような…)


出会った当初、いたずら半分で彼女の布団の中に潜り込んだら、布団ごと床に落とされた。

しかも彼女はその後一睡もしなかった。

流石に悪かったと思った。


(今は布団に潜り込んでもそのまま寝てるしな)


信頼関係ができている証拠だ。


(……久々に驚かせてみてぇな)


いたずら心がうずき出す。

早速行動に移すべく身を起こした。
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