紫の時空

□第2章
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いつもと同じ時間に起きたはずなのに、部屋の中が薄暗い。


(………雨…)


通りで暗いはずだ。

寝台の横の机に置いてある時計を確認しても、いつも起きる卯の刻である。

暗くても自然に目が覚める自分の体内時計に少し感心してしまう。



体を起こすと、足元で天河が寝ていた。


(……起こすの、気が引けるなぁ)


毎回思うが、天河は警戒心が薄いと思う。

そもそも、天河は高位の妖のはずなのだ。

本人(猫?)に確認をとったことはないが、纏っている気が他の妖より強い。

だから身動きした時点で起きてもよさそうなのだが……。

高位の妖の余裕で身の危険にさらされることがなかったからなのか、起きてはいるが猫故に気まぐれで起きないのか、いまいちよくわからない。

気持ち良さそうに寝ている天河をそっと撫でて、身支度を始めた。
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