tns短編
□初対面@青学編
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「…ぅ……、?」
「……………、」
「「…………」」
青学のみんなとの出会いは地区大会の会場でのことでした。
初対面@青学編
東京都地区予選大会。
跡部はテニス部員全員を会場に連れて行き、コートをぐるりと囲んで応援をするように指示した。
それは、彼らも例外でなく。
「あっちー…」
「あんまり暑いって言うなよ、余計暑いだろ」
「んー……、zzz」
『よく寝れるね、大丈夫かな?』
上から岳人、宍戸、慈郎、名前。
4人は近くにあったベンチに並んで座り、慈郎は名前の膝を枕にして眠っている。
「名前、ジローの頭にタオルかぶせておきな」
『わかったー。萩も一緒に座ろうよ』
「そうしたいのは山々なんだけど、景吾に呼ばれてるから…」
『…そっか、』
名前に声をかけたのは滝。誘いにこたえてあげたいが、離れたところから跡部が早く来いと目で訴えているため、名前の頭を軽く撫でてからその場を去った。
『ね、亮ちゃん』
「なんだ?」
『トイレ行きたい、ジロちゃん引き取って』
「おう、わかった。…道わかるか?」
「俺、着いて行ってやろうか?」
『もー、大丈夫だよ!行って来まーす』
「「いってらー」」
名前は、膝で眠る慈郎を宍戸に引き渡し、心配する岳人と宍戸を置いて席を立ったのだった。
『……あれ?』
トイレを済ませ、みんなが待っている所に戻ろうとした名前。
『どっちから来たっけ?』
キョロキョロとその場で周りを見渡すが、どちらから来たのか思い出せない。その場で誰かを呼べばいいものを、名前はなんとかなるだろうと歩き始めた。
『……うーん、ここどこだ?』
なんとかなる、と歩き始めたのはよかったが、どうやら足の向けた方向は間違っていたようで、進んでも進んでも氷帝の生徒は見えない。
(やっぱり岳人に着いて来てもらえばよかった……、)
そう考えた途端に、不安に支配され、涙が滲む。
『…っ……がくとー、』
とうとうその場に座り込み、小さく片割れの名を呟きながら涙をこぼし始めてしまう名前。
、