企画小説

□メリークリスマス!
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「……そろそろ出て来ねぇ?」

『嫌ったら嫌!』

「ほら、そう言わんと…」

『嫌!違う服持って来て!』





ったく、困った奴だな。何回溜め息吐きゃいいんだ。




ん?ああ…お前もそんな所で覗いてないで、なまえ引きずり出すの手伝ってくれよ。



何してるか?はぁ…見てわかんねぇのか。まあわかるわけないよな。じゃあ取り敢えず1時間前に戻るぜ?











――――――――――




「『メリークリスマス!』」

「…こない雪の降る日でも双子は元気やね」

「なに辛気臭い顔してんだよ侑士!」

『そうだよ忍足くん!今日は跡部くんちでクリスマスパーティー!楽しみでしかないよ!』

「ああ…そうやね」



双子のテンションについていけずため息を吐くのは忍足侑士。そんな彼のまわりをくるくるとまわるのは向日兄妹。


そして、その後ろからついてくるのは宍戸亮と芥川慈郎だが……、どうやら2人とも忍足の前の餌食にあったようで、げっそりとしている。(慈郎にいたっては既に宍戸の背中でぐっすり眠っている)





そんなこんなで跡部家にやってきたメンバー。




「うわ、お前らなんて格好してんだ」

「チッ、……みなさんの分もありますよ」

「此方へどうぞ。なまえ先輩はあっちです」




先に来ていた日吉と鳳の格好を見て微妙な顔をする一同。男子は鳳に連れられ、なまえは日吉に連れられ、それぞれ着替えに……。






このパーティーを計画した跡部が用意した衣装はサンタ服。誰の入れ知恵か知らないが、一同は仕方なくそれに手を通し広間に通されたのだが、いくら待ってもなまえが現れない。




30分ほどたった時、疲れた顔をした跡部と日吉が広間に戻ってき、事情を説明して皆を連れてなまえが着替える為に入った部屋を訪れたのだった。





――――――――――




…ってこと。なんとなく察してくれたか?





なまえは跡部が用意した衣装が気に入らないらしくてな。

着替える為に入ったこの部屋から出てこようとしないんだ。さっきから、嫌!か、違う服持ってこい、しか喋らない。




跡部は跡部で、どんな服を用意したのか知らねぇけど、それを着ていないと駄目だと言い張って違う服を用意しようとしない。


なまえが出て来ないから、先にパーティー始めようなんて考えを、ここにいる俺を含めたなまえのことが大事な奴らがするわけない。



だからさっきから、出てくるように促してんだけど……、って、あー!もうダメだ!




「っ、あー!くそくそ!いい加減にしろなまえ!」




俺は周りが止めるのを気にも留めず、その部屋の扉を開いて突入した。


別になまえが着替えている最中でも、俺は兄貴だし関係ねぇだろ?








『な、…〜〜っ、岳人のばか!』








そこにいたのは、



少しのびた髪の毛を内巻きにされ、薄く化粧を施され、

とっても短いスカートに、へそや肩を出して、ニーハイブーツを履き、



可哀相なくらいに顔を真っ赤にしたなまえサンタだった。









「どうだ、この衣装。俺様が特注でつくらせたんだ、いいだろ?」


出て来ないなまえに疲れ果て、俺が部屋に入るのを止めていたとは思えない程に、得意げな声で話す跡部。




……俺は静かに扉を閉めた。








岳「違う服持ってこい!」

跡「駄目だ」

宍「駄目だがダメだ!」

芥「跡部〜、外出れない顔になる前に持って来た方がいーよ〜?」

滝「そうだね景吾、悪ふざけも大概にしようか」

跡「ちょ、待てお前ら!」

鳳「あ、跡部さん!日吉、助けなくていいのかな?」

日「……自業自得だろ」

忍「阿呆らし。今回は全面的に跡部が悪いな。…なぁ、樺地?」

樺「……ウス」












その後は、跡部が用意した普通のワンピースに着替えて嬉しそうななまえと、安心したように笑う俺たちと、少し不満げながらも楽しそうな跡部と。



みんなで楽しく声をそろえて、





メリークリスマス!





(みんな跡部くんに服変えるように言ってくれたの、なんで?)

(みんなの目の毒やったからや。あ、悪い意味ちゃうで)

(??目の毒……?)











―――――――――



《あとがき》



 三万打企画にてリクエストしてくださった優様に捧げます。気に入らない点がありましたら、修正致しますのでお気軽に申付け下さい!


 季節外れも甚だしくてごめんなさい!めっちゃ待たせてしまってすみません!…ああ、優様見てくださいましたかね?(不安)



 しかも、リクエストはクリスマスパーティーだったんですよ。これ、パーティー始まってねえ!(泣)


 跡部さんが用意したヒロインちゃんのサンタ服は、露出が多くて中学生な男子たちには、ぶっちゃけエロくて目の毒だったんですよ。



 こんな感じになってしまいましたが、楽しんでいただければ幸いです。読んでくださった皆様、ありがとうございました。



 うらら



 

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