企画小説
□バカップル警報発令中
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『やっぱりヒロ君は紳士の方がいいね。さっきの軽い雰囲気もなかなか似合ってたけど!』
「そうでしょうか?」
『うん!やっぱり眼鏡なしのヒロ君は世界一かっこいいよね!』
「おやおや……ではずっと外していましょうか?」
『え?やだよー、あまりのかっこよさに女の子全員ヒロくんに惚れちゃうもん』
「そんな…大げさですよ、なまえさん」
『大げさじゃないよ!ヒロくんかっこいいもん♪』
「なまえさんこそ世界一お美しいですよ」
まわりに花でも舞っているんじゃないか、というほどに甘い雰囲気を晒す2人。
いつもいつも…全く飽きない人たちだなぁ。
「…………、(ゲッソリ)」
「「うわっ!?」」
なんだか後ろから負のオーラを感じた俺と丸井先輩が振り返ると、そこには血の気の失せた仁王先輩がいた。
「に、仁王…大丈夫かよ」
「……柳生にダメージ与えちゃろうと思って入れ替わること提案したんにコッチに大ダメージ来たぜよ」
「お、お疲れ様っす;」
「みょうじはどんな姿形をしていても柳生を判別出来、どんな姿でもイチャつきたい程惚れているということだな。いいデータがとれた」
「……参謀、そのデータどうするんじゃ。んでそのデータ提供してやった俺に労わりの言葉は無いんか」
「ご苦労」
ガックリと項垂れてしまった仁王先輩を丸井先輩が不憫そうに眺め励ましている。
そんな俺たちにも構わず柳生先輩とみょうじ先輩はイチャイチャしてるし……。
「柳生、ちょっと来てくれないか?」
「はい、ただいま」
そんな2人に臆することもなく柳生先輩を呼ぶ副部長。
柳生先輩はごく自然な流れでみょうじ先輩の頭を撫でると副部長の元へむかった。
『仁王、さっきは遊んでごめんね?』
「もうええ……」
楽しそうに笑いながら俺たちに歩み寄ったみょうじ先輩の言葉に、仁王先輩はまたもシクシクと泣き真似をしている。
「ところでみょうじ、」
『なに?柳くん』
「お前は柳生のどこが良くて好きになったんだ?」
これもデータというやつか。
柳先輩の問いを受けてみょうじ先輩が首を傾げた。
……なんて答えるんだろう。
『…………、』
あれ?考えるように頭を抱えてる……、もしかしてわからない……、?
そんな俺の考えは甘かったらしい。
不思議そうな顔をしたまま口を開いたみょうじ先輩をみて、仁王先輩と丸井先輩が嫌な予感に顔を歪めたのは知らない。
『逆に訊きたいんだけど、ヒロ君に悪いところなんかある?』
リア充爆発しろ!
「……野暮なことを訊いて悪かったな」
『うんヒロくんは良い所しかないもの』
「わかったからそれ以上喋るなみょうじ」
『?なんで??』
「赤也たちが甘さで砂を吐きそうだ」
『??????』
、