企画小説

□異常?
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「好きです、付き合ってください」



どうやら最近私にも‘モテ気’というものがきたらしい。

よく他のクラスの男子や先輩方から告白をされるのだ。


ん〜、私なんかのどこがいいのかな?




テニスの楽しさに目覚めてから私は恋愛というものに興味がなくなってしまったのだ。(まぁ、元からそんなになかったが)
しかも、彼氏なんて作ったら岳人になに言われるか分かんないし……。(絶対バカにされる)



「ごめんなさい」



今日も私は告白を断った。





―――――――――――――――



そういえば、

学校からの帰り道、ふと思った。



「私に告白した人たち、その日以来見かけてないなぁ。」


そうなのだ。

告白を断って以来、断られた男子は私に話しかけることもなければ見かけることもないのだ。


「まぁ、クラスが一緒じゃないからね。全員。」


何故かわからないけど、私は他のクラスの人にしか告白されない。


だから会わないのか、と一人で納得したのが間違いだったなんて。


このときの私も、今の私も、当然知らない。



岳人たちだけの秘密があることを。












「なまえ、今日は何してたんだ?随分遅かったじゃん。」



それは家でのことだった。

岳人がそう訪ねてきたので、いってしまったんだ。



「告白されてたの!最近私、モテるのよ?岳人よりも告白されてんだから!」


つまらない意地を張ってしまった。告白された回数とかどうでもいいじゃんか。


多分、そんなこと言ったのは岳人の影響だと思う。

最近、異様なほどに岳人の束縛が激しいのだ。兄弟なのにだよ?両親でも束縛なんてしない。岳人だけ。

あとは男子テニス部の皆が過保護なくらいで。


そんなことを考えていると、岳人がこっちに寄ってきた。

そして私の肩を掴んで、


「―――告白、お前に告白したの、誰?」


って聞いてきた。

さっきまで明るくて、ぎゃあきゃあ言っていた岳人とは違う。



――――すごく低くて、いつもの岳人じゃないみたい。

逆らっちゃいけない気がして答えてしまったんだ。



「……っ、隣、の……、クラスの小坂、秀樹……、くん。」



「へぇ、」


―――なんだそれ。


恐る恐る……。

震えながらも名前を声に出すと以外にもアッサリした返事がかえってきた。



今目の前にいるのはさっきまでの岳人とは全然違う、いつもの岳人。

ビックリしたぁ。さっきまでのは錯覚だったのかな?



「小坂、ねぇ」


「うん、そうよ?サッカー部のエースでモテモテなんだからっ!顔もかっこよかったし、モテるのもわかるもん!」


私はさっきまでの岳人を忘れて、小坂くんのことを話してしまったんだ。




「ちょっとお仕置きが必要かな?」


私が部屋に戻ったあと、岳人がそう言って忍足くんたちにメールをしていたこと。




(彼女は俺らの大事な姫)(そんな彼女を奪おうとする悪には)(罰を与えようか)





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