企画小説
□主導権はどこへ。
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天気のいい日曜日。
氷帝学園中等部男子テニス部にて。
「頑張っとるなぁ、少年たち」
「わ、え、あ、え、」
「久しぶりやね、跡部くん」
「こ、こここ、こっにちは!!」
「いや、跡部落ち着けよ」
少し年上らしき女性に声をかけられて動揺する少年と、それを宥める少年たちがいました。
主導権はどこへ。
「いつも跡部くんは可愛い反応してくれるなぁ」
「あんまりうちの部長からかわんといてくれるか、姉貴」
「ゆーしは黙っとれ」
えー、ここからは俺、忍足侑士がお送りします。
え?跡部はどうしとるかって?
跡部ならそのへんで固まっとるわ……。
岳人とジローが必死に呼び戻そうと話しかけとる。
跡部が固まってもた原因は、俺の姉貴、忍足なまえ。
「跡部くん、平気なん?固まってしもてるやん」
そう言いいながら跡部に近づき、跡部の額を人差し指でつっつく姉貴。
「ちょ、ちょちょちょ」
「わー、跡部壊れたC−…」
「くそくそ、跡部早く戻ってこいよー!」
姉貴の行動にまた変な奇声を発しながら顔を赤くする跡部。
「激ダサだぜ、跡部」
「忍足先輩のお姉さんが来ると、いつもああなりますよね」
「いつもの跡部さんとは似ても似つきませんね…」
鳳や日吉が言うように、姉貴が来ると跡部は、普段とは別人になったように動揺し、いつも余裕がなくなる。
「…っ、なまえさん!!」
あ、跡部戻ってきたみたいやわ。
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