企画小説

□金のエンジェル
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「俺もその時、なまえちゃんのこと女神様だと思ったー!」




一頻り笑った後ジロー君はそう言い放った。
その言葉の破壊力に、思わず私は赤面してしまいました。






「でもあの優しい手が夢だなんて信じたくなくてね!ブランケットの匂いと同じ匂いのする人を探したんだー」

『ジロー君、それ犬みたいですよ』

「そんなことしてでも見つけたかったの。なまえちゃんのこと」





私の膝から起き上がり、向い合せになるジロー君。







「なまえちゃんの膝枕も、撫でてくれる優しい手も、俺を起こしてくれる綺麗な声も、寝てばっかりの俺に呆れないでいてくれる優しいところも全部ぜーんぶ大好き」




ジロー君はそう言って私をぎゅーっと抱きしめてくれます。





きっと、私が考えてることなんかジロー君にはお見通しで。私が不安に思ってることに気付いてこんな言葉をかけてくれたんですよね。







『私もジロー君のことが大好きです』









そう言ってジロー君の背中に腕をまわし抱きしめ返すと、ジロー君は嬉しそうな笑い声が耳元から聞こえてきた。



きっと今ジロー君は天使のような可愛らしい笑みを浮かべているんでしょうね。







金のエンジェル








「…お前ら何やってんの」
『あ、向日君。助けて下さい』
「はぁ。ジロー起こせばいい?」
『起こさなくていいので剥がして下さい』
「……ったく。みょうじってジローに甘い」


抱き締めてくれたまま、再び眠ってしまったジロー君でしたが。

たまたま通りかかったクラスメートの向日君にジロー君を動かしてもらい、膝枕の体制に戻していただきました。

お礼を言う為に顔をあげると、向日君は少し顔を赤くしていました。そしてお礼を言うとスタコラサッサと去って行ってしまいました。

あ……私、また無意識にジロー君の頭を撫でていたようです。向日君ごめんなさい。



そして私は、そんな私たちの様子を見ながらジロー君が小さく笑みを零していたことなんて知りません。









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