企画小説

□姫争奪戦!
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近藤さんに撫でられていたなまえはいつの間にか俺の近くに来て、俺の隊服をくいくいっと引っ張る。




『土方さん!行きたい!すまいる!』

「だから…お前いくつだ」

『14!』

「駄目だ」

『…退くんから離れないから!ね、退くん!』

「え、あ…でも、ねー」





隣にいた山崎にそう言うも、山崎は苦笑しながら俺の様子を伺っている。






「ハァ、仕方ねーな…。絶対に山崎から離れるなよ」

『わーい!土方さん大好きっ』





……大概俺もコイツに甘いらしい。

目の前にいる総悟から盛大な舌打ちが聞こえたがなまえの言動により気分のいい俺は聞こえないふりをした。
















―――――――――――――





『わー…ここがすまいる?』

「そうだよ」





夜になり、なまえを連れてすまいるに行く俺と山崎。総悟と近藤さんは準備があるとかで先に行っている。





「じゃあ入ろっか」

『うん』




少し緊張した面持ちのなまえを落ち着かせるように手を握る山崎に内心舌打ちしながら店内に入る。




通されたのは、奥まった個室のような所で、中では既にどんちゃんやっているようだ。






「近藤さん待たせた、な……?!」

「遅いよ多串く〜ん」




戸をあけるとそこには何故か万事屋一行も揃っていた。






『っ!?』

「…?どうしたのなまえちゃん」





後ろから息をのむ声が聞こえ、それに続いてなまえを心配する山崎の声。





何かあったのかと俺もなまえを振り返ろうとする際に、視界の端に目をカッと見開く万事屋が見えた。








『わ、わわわわたし帰るっ!』

「え、ちょっなまえちゃぁぁぁあん!」






そこからのなまえの行動は素早かった。真っ青な顔をして山崎の手をふり払い回れ右をして走り去る。


俺と山崎は慌ててなまえを追いかけようとするが、それよりも早く動いた人物によって止められる。






「ちょっとーなまえちゃんって君のことだったのー?」

『ひぃっ』

「歓迎会するとかで呼ばれたんだけどさーぶっちゃけ面倒くさかったけど来てラッキーだったなーってか運命でしょ」

『ちょ、離し』

「え?もっと抱きしめて?もーなまえちゃんったら甘えんぼうだなぁ」

『きゃぁぁぁぁあああ!(泣)』








え……っと。


整理しよう。





俺と山崎を差し置いてなまえを追いかけたのは誰だ。




A、万事屋







いまなまえを抱き締めてるのは誰だ。





A、万事屋










抱き締められてるなまえはどうなってる?






A、真っ青な顔して嫌がって泣いてる。















!?……万事屋ぶっ殺す(怒)






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