Dream.S
□どんな君も
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麻衣「もう!!
ミョンスってば!!」
MS「んー?」
もうかれこれ5回は
彼の名前を叫んだと思う。
やっと返事をしたかと思えば
すぐに視線は彼の手元──カメラへ。
さっきからずっと
カメラをいじってて、
正直何が楽しいのか……
私にはわからない。
でもこれだけはわかる。
日曜日に彼女を放っておいて
することではないよね?
麻衣「ねぇミョンス、
どう?新しく買ったの。」
ゆるっとした
ニットのワンピース。
私が一目惚れしたのも確かだけど
ミョンスも好きそうだな、なんて
思い切って買ったのに。
MS「ん─────、うん。」
長ーく唸りながら
ゆっくり振り向いて頷く。
…………………………え?それだけ?
「可愛いよ」とか「似合ってるよ」
なんて台詞を期待してた私は
悲しみを通り越して唖然。
麻衣「あのさぁ…
そんなに楽しい?カメラ。」
MS「うん、すごく楽しい。」
…そういうことなら
ちゃんと返事するんかい…。
せっかく一緒にいるのに。
外は見事な快晴なのに。
…なんで私は彼氏を
カメラにとられなくちゃいけないの!!
怒りが沸々とこみ上げてくる。
ミョンスの背中を
蹴り飛ばしたい気持ちを抑えながら
ソファに体を投げ出して
クッションをぎゅぅっと抱き締めた。
麻衣「ミョンス〜…。」
わざと不機嫌な声で呼んでみる。
だってこうでもしないと
この人ずっとこのままな気がするもん。
かまってアピールで
甘えた声を出してみても、
MS「んー…。」
生返事ばかり。
……はぁ。