Dream.S

□本日ハ雨ナリ
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今日は久しぶりに
二人の休みが合って、
デートに行こうって決めてた。

それなのに。



WH「雨、だね。」

曇った窓ガラスに
指先で円を描きながら呟くウヒョン。

読んでいた本を置いて
その後ろ姿を見つめる。

ひどくしゅんとして見えて、可愛い。


麻衣「だね。」

WH「あ〜もう、
ほんとタイミング悪い〜。」

ぷく、と頬を膨らませる。


ずっと前から楽しみにしてたんだもん、
すごくショックなんだと思う。

もちろん、私だって。



麻衣「まぁ、でもさ、
たまにはのんびりもいいじゃん?」

そう彼に笑いかけると、

WH「ん…。」

窓ガラスにまた一つ小さな円を描いて、
私の隣に倒れ込むように座る。


WH「麻衣と一緒なら
なんでもいいし…。
今日はデート我慢する。」

ちょっと膨れたように言う
ウヒョンは小さな子供みたいで
とても可愛らしい。 


麻衣「ふふ、いいこいいこ^^」

WH「う〜…麻衣、バカにしてる?」

麻衣「え、してないよ。」

WH「だってニヤニヤしてるし。」


ニヤニヤっていうか…
微笑ましかっただけで…。

ていうか
そう言うウヒョンの方が
ニヤニヤしてるし!


麻衣「してないもん。」

WH「もん、だなんて可愛いなぁ〜♥」

私の肩にこてん、と
頭をのせたかと思うと
私の髪に顔を埋めた。

WH「ん〜麻衣の匂い…。」

麻衣「…変態ウヒョン。」

体を捻って逃げようとすると
だぁめ、と笑って
肩にのっていた頭が私の膝に置かれた。


WH「は〜幸せっ♪」


顔が見えないから
表情が分からないけど、きっと
言葉通り幸せそうに笑っただろう。


麻衣「ふふ、私も。」

つられて私まで笑みがこぼれる。





ウヒョンの髪を撫でれば
ふふ、と小さく笑って。




きっとデートよりもずっと
甘くて幸せなこの瞬間。

心の中でそっと、
お天道様にお礼を言った。
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