Dream.S

□空色の臆病風
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SY「だー!!負けたぁぁあ!!」

WH「くふふふ、
俺に勝とうなんて百年早いわぁ!!!」


リビングに響くのは
ソンヨルとウヒョニヒョンの
馬鹿でかい声。



今日は久々の休日。

皆それぞれ思い思いの過ごし方で、
この二人はトランプに夢中らしい。


ソンジョンはパソコンの前で
何やら楽しそうにダンス中。
(もちろんガールズグループのね。)

ソンギュヒョンは
雑誌を読んでる…いや、寝てる?
目がなくて分からないけど
まぁどっちでもいいか。

ドンウヒョンは
ばっちり口を開けて爆睡中だし、
俺はただひとり大きく開かれた
ベランダを見つめていた。


…正確にはベランダにいる、麻衣を。



昼下がりの柔らかい風が
麻衣の髪とスカートを揺らす。

麻衣の手にある
俺たちの洗濯物もぱたぱた揺れて。

髪の向こうに見えた
真っ白なうなじが照らされて映える。




今日は休みなんだ、

と短くそれだけ告げれば
すぐに息を弾ませてやって来た彼女。

「皆がのんびりできるように、
私にお手伝いさせてくれる?」

そう言って彼女は
散らかし放題だった部屋を
手際よく綺麗に掃除すると
昼ご飯まで作ってくれた。



俺達は付き合っていても
会えないことが多くて、
麻衣が寂しい思いをしてないか、
辛いなんて思ってないか、
泣いてやいないか、

こんなこと思ったりしてたのに


「ホウォン、
ずっと会いたかったよ。」

照れたように微笑む麻衣に
自分の余計な心配だったんだ、
なんて笑えてくるほど。

いつも俺は麻衣に圧倒される。



HY「麻衣。」

麻衣「んー?なぁに?」

洗濯物をぱんぱんと
広げながら振り向かずに答える。


HY「なんか手伝おうか?」

どうにかして
麻衣の側にいたいから、

必死に考えた挙げ句、
俺の出した答えはこれ。


…こんな風にしか言えないなんて、
少し自分が情けなくなる。

男前のホヤはどこへ行ったんだ?



俺の言葉に
麻衣はばっと勢いよく振り向いた。

麻衣「だめだよ!
今日はお休みなんだから
しっかり休まないとだめでしょ!」

洗濯物片手に
唇を尖らせる姿は
まるでおんまのよう。

おんま…っていうか
俺らが夫婦っぽく見えるな、これ。



HY「え〜…でも、暇、だし。」

何かしてないとつまんないよ、
なんて言ってみるけど
本心はただただ麻衣と
一緒にいたいだけ。

よくこんなでたらめ言えるな、俺(笑)


麻衣「それでいいの!
ちゃんと休むことも仕事だよ?」


彼女はにこっと笑うと
ぽんっと俺の肩に手を置いて、

麻衣「ほら、
ホウォンもドンウさんみたいに
口開けちゃっててもいいから!」

またくるりと俺に背を向けた。



ほら、また、君は強すぎる。

こんな風に笑顔で言われたんじゃあ
何も言えなくなるじゃんか。
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