Dream.S

□暑い夏には
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季節は巡って、
今年も夏がやってきた。


太陽はギラギラ。

真っ青な空が憎たらしい。


今日は特に暑いらしい。
最高気温を記録したとかなんとか。

こんな日は
クーラーのきいた部屋で
のんびり過ごしたい。

HY「…なのになんで?」

麻衣「ふぇ?何が?」


額には汗。

片手にうちわ、
首には冷却グッズ、
という衝撃の姿でソファに座るのは
俺の愛しい彼女、麻衣。


HY「いい加減諦めてさ…
クーラーつけようよ。」

麻衣の家でデート中なのに
クーラーをつけようとしない。

麻衣「何言ってんのホヤ!!
今地球は温暖化で喘いでるんだよ!
電気は大切にしなきゃ!!
エコだよエコーー!!」

びしっと俺を指さして
格好良く言い放つ麻衣。


いや、それはわかるけどさ。

そこまでしなくても…。
いくらなんでも暑いだろ。
だって最高気温だぜ?


HY「もういいだろー…。」

麻衣「だーぁめー…
とは言っても暑いよね。」

そう言って
だるそうに立ち上がる。

お、やっと
つける気になったか。

麻衣「でもクーラーはなぁ…。」


あっ!!と何か思い出したように
小さな扇風機に近づくと
『弱』のスイッチをいれる。

麻衣「あははー♪
扇風機があること忘れてたぁ^^」

振り向いて俺に笑いかけると、
俺の目の前に扇風機を置く。

HY「麻衣〜、
あ゛ーづーいーよ゛ーぉ。」

麻衣「っはははは!!
ホヤ宇宙人みたいー!」

心底楽しそうに笑うと
私もやる!と俺の隣に座った。


麻衣「あ゛ーあ゛ー、
本日は晴天なりぃー。」

HY「ぶっ、なんだよそれ。」

麻衣「われわれ…じゃなくて
キム・ミョンスは宇宙人だ。」

HY「っはは、怒られるぞ。」


まるで子供のように
無邪気に笑う麻衣が
可愛くて、可愛くて、
暑いのも忘れてぎゅっと抱き締めた。


麻衣「あぅぅ、暑いって!」

HY「だったらクーラーつけてよ。」

麻衣「やだ!無理!
それなら我慢するし!!」

HY「まぁ、それでも
俺は嬉しいけどさ。」


汗ばんだ首筋、
赤く上気した頬、
すべてが愛しい。

暑いけど…離せなくなっちゃった。
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