Cover girl

□ああ、青春。
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MS「…俺、あいつ嫌い。」



SY「…は?」


何突然。

突然すぎて
何の話かわかんないんだけど。


SY「あいつって…。」

MS「セクハラ男に決まってんだろ。」

たぶんミョンスの言う
『セクハラ男』とは、
ウヒョン先生のことだろう。


MS「あいつ…優にベタベタしてた。」


そう言いながら
むすっと頬を膨らませる。

その可愛い仕草とは裏腹に、
瞳は鋭く光っている。

SY「ベタベタっていうか…
まぁ、触ってたよな。」

MS「……むかつく。」


こいつはたまに、
恐ろしいほど怒る。

いつもぼやっとしてるだけあって、
なかなか珍しい光景なんだ。


でも……俺は知ってる。

その、原因を、ね。



MS「優にあんな重いもん持たせて、
何かあったらどうすんだっての。」

ほらね、また。

SY「や、優は
そんなか弱い女じゃないだろ〜。」



いつもいつも、
優のことなんだよな。

ミョンスは自分で気づいてるのかな?


自分の気持ちに。





SY「それにしてもミョンスは
優にだけは甘いよなぁ。」


ちょっと冷やかすように言えば、

不機嫌な声が返ってくる。


MS「は、何で俺が。」




「ぱーぼ。」

と鼻で笑うと

眠たそうに机に伏せた。




SY(はぁ…なんていう鈍感。)

ミョンスも、優も。






MS「はっ!」

SY「なに、どした?」

MS「もしかして、
今襲われてたりして……っ!」

SY「はいはい。」




不器用な彼の気持ち。

知ってるのはたぶん俺だけ。
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