Cover girl

□恋ふ請ふ
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SY「………………は?」

「優さんに
渡していただきたいんです。」

今度はしっかりとした口調で
同じ言葉を繰り返す。


なんで優に、

と口に出しそうになってはっとする。


そういえばあの日、
そんなことあったっけ。

うきうきにやにや気分が
急にしぼんで、力も抜ける。

なんだよも〜。


SY「あー、じゃあ優に」
「私がどうかした?」

タイミング良いのか悪いのか
彼女の後ろからひょこっと
現れたのは優本人で。


「わ、優さんっ!?」

優「あれ?
この間ソンヨルに告白してた子?」

優はクッキーと
俺とを交互に見ると

優「ふーん…なるほどね。
ずいぶんお熱いことで。」

口角をあげ、
するりと教室に入っていく。


…………んん???



俺が口を開くより先に、
彼女が優の腕を掴んだ。

「お熱いって…
どういうことですか?」

優「へ?だって
付き合いたての彼氏に
クッキーを渡すなんて、ねぇ?」




…まさか、



SY「あのさ…俺たち
付き合ってないから…。」


その言葉を聞くやいなや
ぽかんと口を開ける優。

優「え?だって
この間『ありがとう』って…。」

SY「それはほら…
気持ちは嬉しいよ、ってやつだよ。」

優「はぁ?
じゃあこのクッキーは?」

「こっ、これは
優さんに食べていただきたくて///」

優「わ、私???」


彼女はクッキーを
優に差し出して、

「あの時…優さんが
私を守ってくださった時に…
とても素敵な方だと思いました。」

優「あー…
ソンヨルからよけたとき?」

SY(俺が襲ったみたいに
聞こえるんですけど!!?((汗)


つっこんでやりたかったけど
あまりにも彼女が真剣に話すから
仕方なく口をつぐむ。


「だから優さんに
受け取っていただきたくて…///」

…俺に告白するときより
緊張してんじゃないかこの子。


優はしばらく
ぽかーんとした後、



優「ありがとう!
すっっごく嬉しい!!」

満開の笑顔でそう言った。





俺に言ったわけでもないのに
どきんと高鳴る胸。


ったくほんと、
ずるいんだよな。



「ああああありがとう
ございますっっっ!!///」

SY「あ、逃げた。」

優「わーい!クッキーだぁ♪」
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