Cover girl

□どきどきするのは
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思わずあんぐりと口を開けた。


なに、何て言ったのさっき。

好き?ソンヨルを?

優「…そんなわけないでしょ!!!!」


そう叫ぶと彼はびくっと肩を揺らして
「びっくりしたぁ…。」と苦笑いした。

優「なんで私がソンヨルを
好きになるのよ!!あり得ないし!!
毎日私のパンツの色チェックしてる
ような変態男よ!?
惚れる要素ゼロでしょ!!!!」


逆にそんなことされてて
惚れちゃう方がおかしいでしょ、
そうとうなマゾだよねそれ。

べらべらまくしたてて
全部を喋りきると、
キム・ミョンスが眉間にしわを寄せた。


MS「じゃあなんで
ソンヨルが告白されて怒ったわけ?」

優「……え、」


うぉ、まさかそれで勘違いされた?

え、ちょ、もしかして
読者の皆さんも勘違いしちゃった感じ?


優「好きとかじゃなくて…
ただむかついただけで。」

MS「なんでむかついたの。」

優「(こいつさっきから
何回なんでって言えば気が済むんだ)
たって毎日毎日
私に好きだっていうくせに…
なんなの、って思っただけ。」


ただそれだけ、

そう付け足すとキム・ミョンスは
はぁ、とため息をついた。


MS「なんだよ…俺馬鹿みたいじゃん。」

優「みたいじゃなくて
馬鹿でしょ。」


だいたい私がソンヨルのこと好きなんて
有り得ないって。どう考えても。



MS「じゃあさ、
俺をフルネームで呼ぶのは?」

優「え、や、別に。
なんとなく?」

MS「…なんとなく、…。」



特に何も意識してなかったし、
言われてみればなんでだろう?


でももっと謎なのは
今目の前にいるキム・ミョンスで。

こんなこと…
一体どうしたの突然。




MS「…はぁ。
まぁいいや、とりあえず。」

優「は?なに、
どういうことなの?」

MS「あー大丈夫だから気にしないで。
早くバレーいってきなよ。」


しっしっ、と追い払うように
手を振って布団に潜り込む。



なんなの、この人。 

(不本意ではあるけれど)
お見舞いに来てあげたのに
その態度はないでしょうよ!!


優「じゃあ行くから。」

イラつきを抑えた声で
それだけ言って、ドアに手をかけた。





でも


ドアを開けようとした手が、
ふと止まる。


優「キム・ミョンス。」

MS「………ん。」


このまま帰るのは
キム・ミョンスの言いなりみたいで
格好悪いから、それだけなんだからね。



優「早く元気になってよね、
お大事にっ。」



勘違いしないでよね。





さっきまでの胸の高鳴りを
振り払うように自分に言い聞かせ、
保健室をあとにした。



優「あ、」

タイミングを見計らったみたいに
授業終了のチャイムが鳴る。



結局バレーできなかったなぁ…。

キム・ミョンスのことなんて
放っておいて、
さっさと授業に戻ればよかった!


私は小さく舌打ちをして、
教室へと続く階段を上った。








MS「ったく…
あんなのずるいだろ…っ。//」
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