射手座

□番外編
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シジフォスより二回りほど小さいアステリはシジフォスの腕にすっぽりと収まる。

「最近はくっついてばっかり。」

くつくつと笑うアステリに少し負けたような気がして腕に少し力を入れる。

「シジフォス、締まってる締まってる!!」

「悪いな。」

「思ってないでしょ」

「…。」

「…レグルスだって加減するのに。」






「な…、」


アステリの口から何故レグルスがでてくるのか、否『レグルスだって加減する』ということはレグルスがアステリを抱きしめているという事になり、いや、まだレグルスは子供でアステリを母の様に慕って、だが待てよ、近頃の子供は早熟というではないか、まさかアステリに恋し「なに一人でもごもごしてるの…?」


アステリの声で現実に引き戻される。
「あ、いや…アステリ」
「その顔は盛大に勘違いしてるみたいだよシジフォス」

顔に書いてある、なんてにまにまとさっきとは違う笑い方をするアステリに思わず眉間に皺が寄る。


「別に嫉妬してほしいとかそういう意味で言ったんじゃないよ、ただ最近なにかとシジフォスがくっつくでしょ、なんか大きい子供見たいだなって。」

「嫌か…?」

「嫌、ではないかな」


ぷいっとそっぽ向いてしまったアステリの髪から見える耳が赤く染まっていて

「(ここで可愛いなんて言えば固まるんだろうな)」なんて意地の悪い事を考えて。



「アステリ」
「シジフォス、あの、ね」




「私、シジフォスが大好き。愛してる。あと、紅茶が温いから紅茶いれ直してくる。」


早口言葉で言い逃げしたアステリの後ろ姿をシジフォスはポカンとした顔で見つめ働かない頭で意味を理解した後顔の熱がぐっと上がったのが、解った。


「どんな顔でアステリに会おうか、」

紅茶が入る一分前。







「言っちゃった、言っちゃった…」
まだ心臓がどくどくと波打つ。
のぼせて、死んでしまいそう。

いつも先手を打たれるから私も先に言ってしまおう、なんて思わなければよかった…!!

なんて後悔しているとピピピピと無情にも紅茶のタイマーがなる。

カップに注ぎ、アステリはパシンと自分の両頬を叩いた。

「どんな顔でシジフォスに会おう…」



紅茶が入った一分後。


思っている事は結局同じ。




―――――
キリ番1100のリクエスト。
菖蒲様ありがとうございます!!
更新遅くなってしまい
申し訳ありません…!!

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