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□estres
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翠宗side




昼間、宏貴くんと試合をして敗戦の結果になったとき、飛び出していった弥隼くん。


荷物はまるごとそのままに、身体だけでどこかに行った




一体、どこにいったんだろう・・・


今日は、帰ってこないつもりなのかな・・・??




同じ悩みを抱えた5人で暮らせると、楽しみにしていたけど。


まさかこんなしょっぱなから荒れるとは思っても無かった





随分と部屋で1人っきり考え込んでる間に、太陽はもう反対側の人達を起こしに行ったみたいで。



悟くんが部屋に入ってきたときにはもう、夕飯の時間だった







「翠宗??


 お前、顔色が悪いぞ??

 具合悪いのか?」



嫌だな、心配されちゃったよ。

ここでは、俺も年上の部位に入るからしっかりしようと思ってたのに。



「大丈夫。

 ご飯出来た??」



ちょっとだけ、切なそうな顔になって、彼は言う


「あぁ。

 ・・・弥隼の分も作ったよ。」



、そうか。
悲しんでるのは俺だけじゃないんだよな。

普通そうに見えてるけど皆、心の中ではちゃんと思ってるんだ・・・





下に降りて、リビングに行くと昨日の食卓よりも沈んだ空気の2人がいた




「・・・やっぱり、5人の方がいいよな?」



何も誰も喋らない中、1人、宏貴くんがつぶやく


それにつられて、悟くんも話し始めた



「1日と少しくらいしか一緒にいねぇのにさ、

 驚いたんだけど。


 お前らといると、何かすげぇ楽しいってさ。

 よくわかんねぇけど、初めて会った気がしねぇし、心地がいい。


 ・・・だからさ、迎えにいかねえか?

 そりゃ弥隼も悪いと思うところはある。


 そういうところも俺らで乗り越えていかねぇか??

 これから、弥隼だけじゃなくって宏貴も、慎一も翠宗も、もちろん俺も。

 それぞれが嫌なところがたくさん出てくる。



 ・・クラトがお前らで良かったと思ってんだ。お前らとじゃなきゃ嫌だとかも思った。


 ___迎えに行こう。」




・・・・途切れ途切れに、それでも必死に伝えてくる悟くんの言葉は俺たちにしっかりと届いた。


 
確かに、昨日のカレー作りは楽しかった

何故だか、とても懐かしい気もしたけど。


この空間を失いたくないって気持ち、俺にも分かる



「「おうっ!!」」


気持ちの十分入った返事は、同じく力強く応えた宏貴くんとハモった


「何だお前ら、仲良しだな〜。」


そう笑って言う悟くんの斜めで、固まってる慎一くんに目が行く



「・・とりあえず今はやめとけ。」


目をつむりながら何かを悟ったように言う



さっきまで宏貴ときゃいきゃいとわちゃわちゃしていた悟が問う



「出てった直後から弥隼の気を探ってた。

 今あいつは、一箇所に留まってる。


 恐らく、家に戻ってるんだろう。明日、あいつの動きを見て動く方が懸命だ。」



知らされた事実に驚きながらも、皆彼が帰ってくるのを信じて待つことにした













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