短編その１
□Good Night Song
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…変な夢を見てしまった
変というか、ちょっと怖い夢。
夢の中では、ゆかりはただのOLでね
テレビの向こうを見てるの
テレビの向こうでは奈々ちゃんがとても歌っていて
ゆかりもそれを見てるんだけど…
もしゆかりが奈々ちゃんの側じゃなくて、遠いところにいたらゆかりの気持ちは届かないんだろうなって思ったら
ふあんで、こわくなって、涙が出てきて、そして目が覚めた
夢だったんだってホッとしたはずなのに涙が止まらなくて、隣にいる奈々ちゃん起こしちゃった
「なぁちゃん…ねぇ、なぁちゃん」
「んー…？！どうしたんですかゆかりさん、どこか痛いですか？」
「違う…ごめんね起こしちゃって」
「いいんです、いつでも頼ってください」
そうしてぎゅってして背中をポンポンしてくれて
ライブもお仕事もあって疲れてるはずなのに奈々ちゃんは優しいままで
ゆかりが寝るまで手をつないでいてくれた
「…別に手繋ぐことなくない？」
「夢でゆかりさんに嫌なことがあったらいつでも駆けつけられるように」
「握ってたら駆けつけなくてもそばにいるじゃん」
「…そうですね」
奈々ちゃんがくすくすと笑う
その声とゆかりの右手から感じる暖かい奈々ちゃんの左手のぬくもりをもって。
…おやすみなさい。