SHORT

□キスまで甘くしないでVers丸井
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…ない。

なくなってる。
何かって?
それは…それは…私の大切な大切な…









「ぶたコラー!プリン返せー!」

「誰がブタ…やべ、ばれてる」

私を見たとたん一目散に逃げるブン太。
誰が逃がすかー!よくも私の季節限定プリンを!
私の食べ物盗み食いする奴はブン太ぐらいしかいないんだから犯人なんかすぐにわかる。


「ブン太止まりなさい!」

「嫌に決まってんだろぃ!大体、机の上なんかに無防備に置いとくほうが悪い」

「はぁ!?」

「ちょ、悪かったってお前加速すん…うわっ!」


ブン太が私のほうを見て走っていると、ブン太が段差につまづいた。
私はすかさずブン太を捕まえる。


「私のプリンー!」

楽しみにしていたプリンを食べられ、私はブンタの衿を掴んで揺さぶった。

「わ、悪かったって言ってんだろぃ!?今度なんか奢ってやっから!」

「じゃあ駅前のシュークリームとデパートのクレープとカフェのケーキとパフェ、それにー」
「多いだろぃ」

それくらいあんたの罪は重いんじゃボケー!


私がしょんぼりとしているとブン太は思い付いたように口を開いた。




「そうだお前に季節限定プリン食わせてやるよ!」


「それはあんたが食べたん―――


私の言葉は遮られた。





ブン太の唇によって。


「ん…ん!?」

フリーズしていた脳みそを働かせ何が起こっているかを理解した。



「…な?甘いだろ?」


「っ…味なんてわかんないし!」




こんなだからいつも許してしまうんだ。







もう!



キスまで甘くしないで




(ほしい!)
(甘いほうが好きだろぃ?)
――――
ぶん太バージョンということは?2828

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