短編2

□迷える子羊A
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目を覚まして最初に感じたのは、朝日の眩しさと、体にまとわりつく心地よい人肌の感触だった。

また弟のどっちかがベッドに潜りこんできたんだな。
まったく甘えん坊な奴ら。

そう思ったのは一瞬で、弟たちにしては体がでかすぎることにすぐ気づいた。

あぁそうだ、ジロ君を泊めたんだった。


抱きつかれるのを予防するためにベッドの端に身を寄せたはずなんだけど、俺もそんなに寝相がいい方じゃないからいつの間にやらジロ君側に寄ってしまっている。
そして案の定、ジロ君は俺を抱き枕代わりにして幸せそうに眠っている。

そしてそして、俺ももちろんそうだけどジロ君もしっかりと朝勃ちしてて、あまつさえそれが俺の太腿に当たっている。

普段はなんだかフワフワして子どもっぽくて、汚れのない生き物みたいに思えるけど。
やっぱジロ君も俺と同じ男なんだよな。


って、妙に感心してる場合じゃない。
こんな風に固くなったものを押しつけられて、平静でいられるわけがない。


「おいっ、ジロ君……朝だぞ、起きろい」

「……んぐー……」

「ジロ君、おいってば……」


起きたばかりの頭も体も、一気に興奮して熱を帯びてきた。
ただでさえ朝勃ちでギンギンになってる俺の股間がますますやばいことになっている。
このままいったらパンツを突き破って膨張して爆発してしまうんじゃないだろうか。


「ジロく……」

「んー……まる……くん……」


ん、今俺の名前呼んだ?
起きてるのか?


「ジロ君?」

「……まるいくん……」


いや、やっぱ寝てる。
俺の夢見てんのかよ。どんだけ俺のこと好きなんだこいつは。


「まるいくん……もっと……」

「え?」

「もっとぉ……ちょーだい……」

「………」


ジロ君、それは。それはまずいだろい。
どうせ夢の中で俺にケーキでも振舞われてるんだろうけど、それはわかるんだけど、どうしたって今の俺にはエロいことしか想像できやしない。


「ジ……ロ君、起きろい」

「んー……」

「起きねぇと……」


どうなるかわかんねぇぞ。
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