短編*

□甘菓子
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「センパイってばー」

「うっせ」

片手で手首を使って投げられたナイフはさくり、とフランの背中に刺さった。

「あー、ったく。
話せば分かりますって……」

「知らね」

「ミーがこんなに素直に謝ってるのにですかー?
ちょこっとケーキ食べただけですよー……
ミーが甘党なの知ってるじゃないですか……」

「どこが素直だよ。
本当ふざけんな……」

「ふざけてませんー
この上無く真面目ですよ。
とにかく機嫌直して下さいー」

「嫌だね」

「こんなに頑張って悪口飲み込んでんのにー
もう良いですよーお子様堕王子」

「黙れよカエル」

「嫌ですー」

もー、このモップ頭の王子め。
ミーがこんなに誠意を込めて謝ってるのにー……

「いつまでミーの部屋に居るんですかー
もー出てって下さいよ」

「……お前反省してないだろ。
わーったよ、出てきゃいんだろ」

「はいー。
出てきゃ良いんですよ」

「……可愛くねぇやつ」

「余計なお世話ですから」


ばたん、と音がしてセンパイは出ていった。
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