【夢小説】入隊しました...*【リボーン】

□足枷
2ページ/3ページ


その時フランの手元から電子音が鳴った。

「げ、隊長からだ……
ちょっと行ってきますのでー」


そう言い残してパタパタと出ていってしまった。

「……そうだ、ベル」

「ん?」

「バイパーって人、誰だか分かる?」

「あー……マーモンのことだろ?」

「まーもん?」

その名前に聞き覚えは無かった。

「ああ。
マーモンはちょっと前までここの霧の幹部だったんだぜ?」

「ちょっと前まで?ここの?
そうだったんだ……」

しばらく考え込む私に、不思議そうに問いかけた。

「マーモンがどうした?」

「小さい頃遊んでもらった記憶があって。
でも私が二歳位になるとき、姿を消してから一度も会ってないんだ。
私がここに来た理由に、なんか関係あるのかなって思って。
そっか、ここにいたんだ……」

「……ちょっと待てよ」

「え?」

「レイ、今いくつだ?」

「16だけど……」

「14年前?
マーモンってそんな前から居たのか?」

「うん。
だって大人だよ?
フード被ってて年齢はわかんなかったけど」

「大人ぁ?」

とことん話が噛み合わなかった。
ベルが小さな声で、思い付いたように言った。

「そういやずっと呪いだか言って躍起になってたな……」

「呪い?」

「俺もあんま聞かされてねぇんだけどな」

「ふぅん……?」

だからあれから自分の所に姿を現さなかったのだろうか。
パパはずっと心配していたのに。

あの人は「かいやくしょ」と「りょうしゅうしょ」を私に渡して、パパの所に持っていけと言ったきり、姿を現すことはなかったのだ。

色々と難しい漢字が並べてある紙と、「0」が沢山連なっている紙とをパパの所に持っていくと、パパはそうか、と呟いて踵を返した。

ああ、あの記憶はなんなのだろう。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ