【夢小説】入隊しました...*【リボーン】

□薔薇と霞草
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「ばか、堕王子!!
レイが死んだらどうするんですか!!」

少し涙目のフランにベルは慌てたように言う。

「だ……だから、知らなかったんだっつの。
息してるし、死なねぇよ……」

「う゛ぉい!!
八重島は大切な戦力だぁ、内で傷付けんじゃないぞぉぉ!!」


あ…れ??
まただ……また、みんなが私を見上げて……

「ん……」

ここは……医務室?
あ、スクアーロ帰ってきたんだ。
ベルに……フランも居る。


「レイ!
あーもー、隊長がデカイ声出すから起きちゃったじゃん」

ベルの嘆息を無視して、スクアーロは寝ている私に近づいた。

「……何があったぁ?」

「分かんな……い、けど!!
だ、大丈夫ですから……」

「もー姫の大丈夫は信用しないぜ??」

「うー……」

「ベルが霞草と薔薇を見せたら倒れた。
一体どうなってやがんだ?」

「うー……」

ベルとスクアーロに見られて、居鋤(いす)くんだが、おぼろげに話す事とした。



「私、単に血がダメなのかと思ってたけど……そうじゃないの。
パパ……父親が死んだのは、真っ白な雪の日だった。
父の傷はかなり深くて。それで死んじゃったんだけど……
雪の上に鮮明に残った血が、何より印象的で。
あの花束は……思い出しちゃったんです。
私は白地に赤の血の色がトラウマなんだと思う……」


沈黙する三人を見て、困ったように笑って見せた。


「ご、ごめんなさい……暗い話しちゃって」

「いや……」

スクアーロが唸るように言った。

「ならただの流血は平気なんだなぁ?」

「多分……そんな気がする」

「なら戦力の足しにでもなるぜぇ。
分かっただけで収穫だぁ」

「……ありがと」

スクアーロが気を遣ってくれてる事は感じた。

「礼を言われる筋合いはねぇ。
体調が回復したら試験だ、いいなぁ!!」

「了解です」

そのままスクアーロは居なくなってしまった。

「じゃ、レイ姫♪
俺んとこ戻ろうぜ?」

「何言ってるんですかベルセンパーイ」

私が答えるより先に、今まで黙っていたフランが口を開いた。

「苦手なもの見せといてひどすぎますよー。
レイはミーと部屋に帰るんですー」

「う……っカエル!!
だからさ、知らなかったんだっつの。
許してくんねぇ?レイ姫♪」

「え……?あ、うん。
許すのは良いけど……自分の部屋戻っていい……?」

フランがベルに意味ありげに目配せした。
ち、とベルは舌打ちしてフランに聞こえないよう、私の耳元で囁いた。

「レイならいつでも待ってっから。
ミルクも用意すっから、ちゃんと来いよ?」

「センパーイ、ミーのレイに何言ってるんですか?
早く出てって下さいー」

「おめぇのじゃねぇよ。
じゃな、レイ♪」

「うん、ありがと」

微笑んでベルが出るのを見送ると、ぐいと顔を両手で左に曲げられた。

「な、何するのフラン!?」

びっくりして立っているフランを見上げると、むう、と顔をむくれさせていた。

「あの堕王子に見せた笑顔をミーも見たかったんですー……」

「な、に言って……」

「むしろレイそのものをミーのものにしたいって感じがー……」

「それなら既にそうじゃない?」

「……え?」

「だって、フランは私の先輩だもん。
私はフランのものでしょ?」














「人から天然って言われますー?」

「いや?あんまり言われないけど」


素直にくびを傾げると、フランは特大の爆弾を投げた。


「……堕天使」

「だ、誰が堕天使だぁぁっ」

「きゃー」

それはそれは抑揚の全く感じられない「きゃー」でした。



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