【夢小説】入隊しました...*【リボーン】

□薔薇と霞草
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ベルは私をそっとソファーに座らせると、隣にすとんと腰を下ろした。

「レイ姫、なんか飲む?」

「あ……ありがと。
あとその、姫って言うの……」

「何?俺の姫様じゃん」

あー……
なんでこういう台詞をさらっと言えるかな。

「ほれ、珈琲」

「ありが……げ」

「どうした?」

「あ、あーと……
至急大量のミルクを、お願いしたいです」

しばしの沈黙。


「……は?」

「だっ、だから、ミルクを……」

「あー、姫珈琲飲めねぇの?
……可愛い」

「や……!!
飲める!!飲めますよ、珈琲位。
ただ、あの、カフェ・オ・レにしたいと思っただけで。あの、決して……」

「良いよ、持ってくっから」

「……ありがとう」

やがて温かいミルクが運ばれた。

「そだ、レイ姫って花好き?」

「好きだよ?」

「おっけー。
ちょっと待っててな」

言うや否やごそごそ部屋を出ていき、花束を持ってきた。
それは赤い赤い薔薇と沢山の霞草で出来た美しい花束だった。
ベルはそれを抱えて此方に向かった。

「これ、昨日の夜買ったばっかでさ。
綺麗だろ?やるからさ」

私は完全に頭が真っ白になった。
白の霞草にぽつぽつと咲く赤い薔薇。
それは……絶望に立たされたあの日の光景に重なって。
白い雪に点々とした、パパの血。

嫌……!!

くらくらする、きゅうとお腹が痛くなる。

震える声をなんとか絞り出した。

「あ……ありがと。
ごめ、ん……あの、帰るね……」

「ちょっと……待てって!!」

後ろからベルの声がした。

「どうした?
脂汗……さっきよりひどいぞ??
まさか……あの花……か!?」

「大丈夫、だから……」

私はそこで意識を手放した。
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