【夢小説】入隊しました...*【リボーン】

□相部屋
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「お邪魔しまーす……
あれ、フラン??どこ行ったんだろ」

「ここに居ますがー。
あなた目ぇ見えてるか疑いたくなりますね」

「あれ……」

ベッドサイドに座って何やら本を読んでいた。
エメラルドグリーンの髪が表情の無い顔を縁取る。
足元に大きなカエルの被り物が転がっていた。

「ごめん、無意識にカエル探してた」

「それは理不尽ですねー。
ミーの趣味じゃないんで、あれ」

「そ、そうだったの?」

完全に変人かと思ってた。
その心の声が聞こえたかのようにフランが無表情のまま言う。

「そんなミーを変人扱いしないでくださいよー。
仮にもルームメートなんですよー?」

「あー……そっか。
私の部屋はどこ?」

キョロキョロと辺りを見回すが、それらしき物は見当たらない。

「あー、ここ。
このハンモックですねー、はい」

「はんもっく……??」

確かに天井からぶら下がっているそれを見て、ふるふると震える頭で視線を戻した。

「……それだけ?」

「そーですねー。
だから基本相部屋ですー」

「フラン、君、だって!!
スペースがあるんだって、言ってたじゃない!!
嘘つき」

「嘘じゃないですー。
スペースならあります、あのハンモック」

「あれだけじゃない!!」

「そーですよ。
あ、それともあれですかー?
ミーの部屋で別々に寝るより、ベルセンパイの巨大なベッドで愛撫されてた方が良かったっていう……」

「なっ……!!
もう……いいわよ」

不本意にも顔が火照ってしまい、そっぽを向く。

「あー、今流行りのツンデレってやつですかー。
分かりますー」

「だっ、誰がツンデレだって!?」

「怒らないで下さいよー、八重島さんー」

言ってからふと思い付いたようにフランは付け足した。

「面倒なんでレイって呼んじゃいますー。
だいたいー、あなたがミーのこと呼び捨てにしてる時点で
遠慮無用なんですがねー」

そこまで言ってから、いまだに突っ立っている私の目の前に立って、顔を覗き込んだ。

「言っときますけどー。
レイはミーの後輩ですからね?」

「あ……」

そっか。私の方が後から入ったんだもん。

「……敬語でいいの?」

「あー、これは癖ですー。
気にしないでください」

「そう……」

顔、顔!!
顔が近すぎ!!
意外にキレイな眼してるんだよね……
ってそうじゃなくて!!
そんなに覗き込まないで欲しい……
柄に合わず、フランがうっすらと微笑らしきものを浮かべた時

――ドガッ!!

「ふぁ!?な、何事??」

フランは顔の位置を戻して、呆れたように言った。

「センパーイ。
部屋入るときはドアは手で開けてって言ってるじゃないですかー」
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