【夢小説】入隊しました...*【リボーン】

□足枷
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ハイマー、ハイパー?
……うーん

「何ぶつぶつ言ってるんですかー、不気味ですー」

「ぶ、不気味?」


「ジャッポーネは不気味が一杯ですもんー」

「関係ないでしょ!?」

「ありますー、レイもジャッポーネ生まれでしょ?」

「そうだけど……それとは関係ないの!!
今思い出してるんだから黙ってよ!!お経あげてる訳じゃないんだから……」

「お経?」

恨めしげにフランを見ると、私は手を併せてお経をあげた。

「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏……」

「わわ、レイー!!
ミーを呪わないで下さい」

「呪ってなんかないっ!!
私は日蓮宗ですから、こっちのが言いかな?」

意地悪そうに言って、もう一回お経を唱えた。

「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経……
むじょうじんじんみみょうのほうは、ひゃくせんまんごうにあいたてまつる……」

「レイ!!ミーを呪っちゃ困りますー!!」

「呪ってないって言ってるでしょうが!!」

「怖いですー。
恐怖・ジャッポーネ」

「もう……」

これ以上自分の出身国を庇っても仕方がないと思い、あきらめた。


私は再び思想の海に堕ちる。


ダイパー、バイパー
……バイパー?

遠い、遠い記憶の中、私はフードを被った成年に名前を呼んだ気がする。

バイパー……?

「フラン、バイパーって人、知ってる?」

「ミーは知りませんー。
隊長とかに聞いたら分かるんじゃないですか?」

「そっかぁ……
そうしてみる」

「前に言ってた術師ですか?」

「うん……」

パパの夢を見て、思い出してみたくなった。
フランの顔をじっと見ながら言う。

「フランにどっか似てるんだよね……」

「ミーはきっと前任さんに似てるんですー。
ていうか似せてるんですけどー」

そう言うフランの顔が曇っている事に私は気づかないでいた。

「前任さん?」

「はいー。
ええっと、マ……痛いです、センパイ」

「え?」

気付くと窓縁にベルが立って、フランの背中目掛けてナイフを投げていた。

「やっぱ血ぃ出ねぇじゃん、カエル」

「止めてくださーい。
背中痛いですー」

「うっせ。
姫、ただいま♪」

「お……か、えり?」

「いつからセンパイの部屋になったんですかー、帰ってください」

私は呆気に取られて言った。

「どこから……」

「窓から。
壁登っただけ」

しし、と笑うベルに呆れたようにフランが言った。

「センパイ、ちゃんとドアから入ってきて下さいよー」

「無理。
だって俺王子だもん♪」

「出たー無意味な発言」

「……んだと?」

「怒んないで下さいよー」
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