【夢小説】入隊しました...*【リボーン】
□過去。
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「ししし、し、失礼します……」
絶対やだ。
どうしても来たくなかったのに。
「あ、あの!!
今日、拉致、じゃない、スカウトされて入隊しました……
」
「…………」
背筋に冷たい汗が伝うのを感じた。
これが、ヴァリアーのボス……
殺気が恐い。
「じゃ、私はこれで……」
そう言って早々に出ようとした。
「……レイ」
「にゃい!!」
変な声を挙げてしまった……うぅ。
そうっと振り返ると、ザンザスは顎で左を示して言った。
「……カス鮫に従え」
「了解、しました……」
それ以後私に興味を無くした様だったので、私は退散した。
部屋に帰ると既にフランがいた。
「おー、レイじゃないですかー」
「ん、ただいま」
「よく無事でしたー。
今夕飯前だし、絶対苛立ってると思ったんですけどね」
「な、なのに行かせたの!?」
「行けって言ったのはスク隊長ですよー。
ミーは伝言ですってばー」
そう、ザンザスの所に挨拶に行け、とフランの口からスクアーロに命令されていたのだ。
「それにしても不思議ですー。
なんで血がダメな人がここに来たんですー?」
「私に言わないでよ……
ほぼ拉致のスカウトで来たんだから」
「わーお」
フランはことさら棒読み口調で続けた。
「意外なところで共通点はっけーん。
ミーも隊長と堕王子にほぼ誘拐のスカウトされて来たんですー」
「そうなんだ??」
「でもそしたら尚更不思議ですよー」
「なんで?」
「だからー、戦えない戦闘員スカウトってどうなんですかー」
確かに。
「スク隊長が父親の名前聞いてましたけど……
関係あるんですかねー」
「さぁ……」
「ま、いいや」
カエル帽とフランの顔がそっと近づいた。
「ミーが興味あるのは、あくまでレイですから」
「……う、?」
「う、じゃないです、う、じゃ。
もっと可愛げのある声を出しやがれー」
「え、あ、ごめん」
しばらく黙ってから、フランはぽつんと言った。
「意味、分かってるんですか」
「な、なんの……?」
「もう、いいですー……」
あちゃー、ふてくされちゃった。
「ねー、フラン?
何、意味って」
「いいですってばー、もう。
このやろー、このやろー」
ごろんと転がって脚をばたばたさせながら
「このやろー」と呟いているフランを
どう反応すればいいか分からず眺めていると、不意にばっと起き上がった。