innocence/guilty(未修正版)

□第8章
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「全くつまらないわー、旅人を釣り上げてビックリさせるのが楽しくて門番やってるのに…」
「心臓麻痺者が出る前にそう言う悪趣味は止めてくれ…」
イヅキ様が真顔でツッコむとその不躾女は豪快に笑った。
「アッハッハ!そりゃそうね!まぁー良いじゃないのよ!んで、アンタも魔法使うの?」
無駄にテンション高いわね、この女。
「アハハ;まぁ似たよーなトコだよ。」
「そう、アタシはルシュカ。サウスミレットの番人よ。っつっても警備らしい事はした事無いのよね〜」
「どうしてですか?」
腰辺りまでの黒髪を振って立ち上がり、ルシュカは再び扉を開けた。
「見ての通りこの街は高い城壁に守られてるの。だから仕事はアンタ達みたいな旅人を入れてあげる位なもんなのよ」
私はその隣りに立ち、上を指し示して指摘する。
「でも飛行系はどうするのかしら?」
「ご心配なく」
ルシュカはタイミング良く飛んで来たレッドフライに狙いを定めて風属性『かまいたち』を撃ち放った。
「その時は番人のお仕事デス♪」
翼を切り取られたマモノは落下していく途中で果てた。細かい塵が無数に散らばる。
「凄いな、これも生まれつきの属性のおかげか?」
「えぇ、でもこの街に居れば普通に風属性を使える様になるわよ?」
「ホント?どのくらいで?」
リオンは興味深そうに尋ねる。まぁ楽して魔法が使えるならそれに超した事は無いわね。
「そーねぇ…大体1年位かしら?修得してったらどう?この街に移住して」
「無理ね」
「あ、ムリだ。」
「そう?なら観光って事で…」
彼女は壁から突き出ている机の上から4枚分の用紙と羽ペンを取り、記入欄に書き込み始めた。
「全部で4人ね、はい自己紹介。はいそこの美女っぽい子から」
って事は私ね、リオンの筈が無いわ
「ヒノエ・キサラギ。ぴっちぴちの7歳児。イヅキ様にゾッコンloveVな上から90・50・70(予定)で〜す♪」
「いや、そこまでは要らないだろ;」
「50・70(予定)…っと」
「書くんですかルシュカさんっ!?」
「職業と戦闘スタイルは?」
「職業?」
そんな物まで聞く物かしら…?
「いやね、何分新しい技術を求めてるもんだから、この街は」
「あらそう?私は忍よ、戦闘方法は糸使い。」
「随分堂々とした忍も居たもんだ」
「っるさいのよ!」
 ドカッ
振り上げた拳はにっくき白髪頭にぶつからず、壁に衝撃を与えたのみで終わった。ちょこまかと…っ!
「はい、次の人。」
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