innocence/guilty(未修正版)

□第7章
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『おい見ろよ、また若い女だぜ。ちっこいガキも一緒だ。』
エクスは『ちっこい』って単語に一瞬反応したケド、さすがだ…なんともない様な平然と涼しい顔をしていた。
『そっちの男は不味そうだな。』
『あぁ不味そうだ。』
『不味そう不味そう♪』
ここまで声を揃えて言われる程、ネクローディスから見たイヅキは不味そうなんだろうか?
「リオン、哀れみのこもった眼で見るな;」
「や…ヤダなぁ、そんな眼してないって」
と、言うか基準は何なんだろ?
『そこの男は腐らせて仲間にしようか』
『いやいや、なんだか弱そうだ』
 ピキッ
あ…
『弱そうなクセにいっちょ前に剣持ってるぜ』
『奪え奪え!』
黙って聞いてた彼のこめかみに段々とアオスジが増えて行く。イヅキも結構、挑発に乗せやすいタイプだよね…
ここでマモノは声を合わせて元気よく言った。
『『バーカ♪』』
 ダンッ!
急にイヅキは剣を外し、地面に突き刺す。
「だぁれが弱そうだぁ〜??」
『っ!?』
そして指をべきゃぼき鳴らしながら叙々に近付いて行くその顔は頬がピクピクとケイレンして、笑っている;
「てめぇらなんざ剣使うまでもねぇ…覚悟しろ死に損いっ!!」
『うわぁい怒った怒った!逃げろー!』
「待ちやがれクソガキぃっ!!」
鬼の形相で突っ込んで行くイヅキとクモの子を散らす騒ぎで逃げて行くネクローディス
「えー;大丈夫?」
とりあえずボクは座り込んで居る女の子に声を掛けた…が
「……見…けた」
「?」
なにやらブツブツ言ったまま顔を上げない。
「ねぇ、キミどうしたの?」
「何か状態異常にでもなったんでしょうか?」
んー、こんな状態異常あったかな?
「ったく、逃げられた…」
フキゲンな顔で戻って来たイヅキ。でもホントに逃げなきゃいけなかったのは彼の方だった
「あのあのっ!助けて下さってありがとう御座いましたっ」
「え; あ、あぁ」
瞬間移動したとしか思えないスピードで女の子はイヅキの前に移動していた。
「イヅキさん、どちらの方向に逃げましたか?」
何気なく尋ねたエクスの一言が彼女に火をつけた。
「イヅキっ!?イヅキ様とおっしゃるのですね!? まぁ素敵なお名前っ、私はヒノエと申しますっ!!」
女の子…ヒノエはモウレツな勢いでイヅキに迫って行った。
彼女に比べて身長はだいぶ高いハズのイヅキは気合いに圧倒されて思わず後退りをした。
「イヅキ様っ!ぜひとも御礼がしたいので私の実家までおいで下さいます!?」
「い…いやオレは―;」
「ありがとうごさいますっ!お連れしますわっ」
「!?」
 シュルっ
ヒノエの袖から急に何かが飛び出し、それはイヅキの自由を奪った。
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